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『未来散歩練習』パク・ソルメ(著)、斎藤真理子(訳)
¥2,310
新しい世界を信じて夢見た 彼らが練習した未来へ 著者は、社会問題に独創的な想像力で対峙する、韓国で最も注目される新鋭作家である。 光州事件、釜山アメリカ文化院放火事件からの時間を、歩きながら思索し、つながりあう五人の女性たち。 今を生きる・過去を理解する・未来を思うことを重層的に描く物語。 スミと幼馴染のジョンスンはホテルで会って話している。 東京の大学院に留学し、仕事に追われる自分に不安になるスミ。 ジョンスンは東京で結婚し離婚して、育児の悩みや経済的な苦労を抱える。 スミはこの日の朝まで、親戚のユンミ姉さんと一緒にいた。 ユンミ姉さんのことをしっかり記憶にとどめておきたいとスミは強く思う。 1980年代、釜山に住む中学生のスミの家に、刑務所を出た大学生のユンミ姉さんが突然やってきた。 彼女がアメリカ文化院放火事件の実行犯の一人だと教えてくれたのはジョンスンだった。 ある日、ユンミ姉さんがバスで光州へ行くと言い、スミが同行することになる……。 ソウルに住む作家の「私」は釜山を訪れた際、不動産を所有しながら一人で暮らす六十代の女性、チェ・ミョンファンと出会い、その生き方に刺激を受ける。 そして、ずっと興味を持っていた釜山アメリカ文化院放火事件に、チェ・ミョンファンも遭遇していたと知り……。 釜山アメリカ文化院放火事件に関わる人々は「来たるべき未来を練習した人」とされ、「私」は現地周辺を歩きながら、当時の人々が何を思い、記憶し、来たるべき未来の練習をしていたか、息をするような等身大の感覚で肉薄していく。 「私」は『チボー家の人々』を心の拠り所にし、ジャックの存在を自身の内にあたたかく感じ取る。 人々が練習した未来は今日に続き、悩みながら懸命に生きる読者一人一人と強い信頼を結ぶ。
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『別れを告げない』ハン・ガン
¥2,750
SOLD OUT
済州島4.3事件を背景に、いま生きる力を取り戻そうとする女性の友人同士の再生の物語。 作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。 ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。 済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。 後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。 キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。 それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。 病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。 大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。 キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。 インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も…… いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。 フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。 訳者:斎藤真理子 出版社:白水社 発売日:2024.3 判型・製本:四六判 ページ数:320
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『だれか、来る』ヨン・フォッセ
¥2,530
【版元HPより】 「彼」と「彼女」が辿り着いたのは、フィヨルドを臨む古びた家だった……。ノーベル文学賞受賞作家の代表作とエッセイ。 2023年ノーベル文学賞を受賞した、ノルウェーを代表する劇作家の代表作「だれか、来る」とエッセイ「魚の大きな目」を収録。 邦訳の単行本は初となる。 シンプルな言葉を繰り返す詩のような台詞で人間の本質を問う「だれか、来る」は、だれもが自分と重ね合わせられる。 90年代に発表されるや、世界に衝撃を齎した。 リアリズムと不条理演劇の間を往来する作風は、フォッセが、同じくノルウェー出身の劇作家イプセンの再来、〈21世紀のベケット〉などと称されるゆえんでもある。 ベルリン在住の訳者は、著者と20年以上親交を重ねてきた最良の理解者。 フォッセは西海岸の周縁に生きる市井の人々の姿を描くために、西海岸の書き言葉ニーノシュクで執筆する。 翻訳はドイツ語版から行ない、訳者が著者に直接確認しながら完成させた。 エッセイ「魚の大きな目」は、フィヨルドとともにある生活の風景やフォッセの文学観がよくわかる。 巻末の訳者による解説では、文学的出発点になった出来事、原風景、創作のテーマ、影響を受けた世界文学や、主要作品の紹介のみならず、著者との長年の親交のなかでのエピソードから貴重な素顔も伝わってくる。 訳者:河合純枝 出版社:白水社 発売日:2023.12 判型・製本:四六判 ページ数:192
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『カフカふかふか とっておきの名場面集』編著 下薗りさ 、木田綾子
¥1,980
SOLD OUT
【版元HPより】 わからない魅力に引き込まれる 今年はドイツ語作家フランツ・カフカ100年にあたります。 生前はほとんど知られていない作家ですが、一世紀後の現在では著名な小説家のひとりとして、その作品は多くの言語に翻訳され、読まれています。 そんなカフカ作品に魅了された著者たちが、その面白さを本書で縦横無尽に語りかけます。 朝目覚めると虫に変わっていた主人公は有名ですが、糸巻状の「何か」という不思議な存在が出てきたり、そうかと思えばまったく姿を現さなかったり、よくわからない登場人物たちにわたしたちは翻弄されます。 繰り返される断食のシーンからはヴェジタリアンで風変わりな健康体操を人に勧める作家の別の素顔が垣間見られます。 そのほか、出だしや結びの一文に驚愕したり、絶句したりすることしきり。 カフカの作品はうかうかできません。いつまで経っても辿り着かないぐるぐるまわる物語にめまいすら覚えます。 カフカフカフカ この終わりのない魅力をあれでもか、これでもか、この一冊に収めました。全54の選りすぐりの場面を通して、カフカの世界を全身で体感できます。 巻末には40年間の作家の年譜と、読書案内を完備。 出版社:白水社 発売日:2024.3 判型・製本:四六判 ページ数:186
