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『人質の朗読会』小川洋子
¥726
慎み深い拍手で始まる朗読会。 耳を澄ませるのは人質たちと見張り役の犯人、そして……。 しみじみと深く胸を打つ、祈りにも似た小説世界。 Lounge B booksの屋号は本書の中の一編「B談話室」から取っています。 当店にとって重要な一冊です。 "世界のあらゆる場所にB談話室はある" 出版社:中央公論新社 発売日:2014.2 判型・製本:文庫 ページ数:256
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『たのしい保育園』 滝口悠生
¥2,200
二歳のももちゃんとお父さんは日々、川べりを歩く。 かけがえない瞬間を描く、新時代の「父」小説。 出版社:河出書房新社 発売日:2025.4 判型・製本:四六判 ページ数:224
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『長い一日』滝口悠生
¥2,475
「どこまでも伸びる一日。そして過ぎてみれば、たった一日。」 小説家の夫と妻は、住み慣れた家からの引っ越しを考え始めた。 長いつきあいの友人たちやまわりの人々、日々の暮らしの中でふと抱く静かで深い感情、失って気づく愛着、交錯する記憶。 かけがえのない時間を描く、著者4年ぶりの長編小説。 出版社:講談社 発売日:2021.6 判型・製本:四六変型 ページ数:354
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『ラーメンカレー』滝口悠生
¥1,870
「すべての出会いは運命的だ」 35歳、9月。 ロンドンで高校の同級生の結婚式に参加した。 仁と茜の夫婦は、茜の古い友達を訪ねてペルージャまで足を延ばす。 そして窓目くんは、結婚式でシルヴィに出会ってしまったのだった。 言葉と記憶があふれだす、旅の連作短編集。 出版社:文藝春秋 発売日:2023.2 判型・製本:四六判 ・製 ページ数:264
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『死んでいない者』滝口悠生
¥781
SOLD OUT
通夜が奇跡の一夜に。 通夜のために集まった親族たちの一夜のふるまい、思い、記憶――傑作の誉れ高い第154回芥川賞受賞作。 出版社:文藝春秋 発売日:2019.3 判型・製本:文庫 ページ数:224
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『石ころ路』田畑修一郎
¥1,870
【版元紹介より】 小品をもって、作者や作品との出会い、本との出会いの場へと誘う「灯光舎 本のともしびシリーズ」第2弾は昭和期に活躍した早世の作家・田畑修一郎の作品3編をお届けします。 暗く切ない人間模様のなかにどこか親しみを感じる「あの路この路」、生への執念と小説家として生きる希望と現実の葛藤を見事に描き出した「木椅子の上で」の2編、そして、田畑文学の柱のひとつといえる「石ころ路」を収録。 自身の病と私生活の苦悩から逃れるように三宅島へ赴いたひとりの男が主人公の「石ころ路」は、現地の風景や住民との交流をきっかけに、陰鬱としたなかに一筋の光を見つけるように少しずつ自身を取り戻していく姿が描かれます。 日常生活を正面からとらえ、自分を静かに見つめて描かれた田畑文学の一端を読者の心に届けます。 田畑修一郎の作品を収録した類書は少ないかと思いますので、多くの方々にとって田畑文学との出会いになる貴重な1冊になれば幸いです。 出版社:灯光舎 発売日:2021.7 判型・製本:B6変形・上製 ページ数:120
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『普通の底』月村了衛
¥2,035
「ただ普通でありたかった」 誰か教えてください。 ぼくはどう生きればよかったのでしょうかーー。 三通の手紙に刻まれた魂の叫びが、現代の精神的堕落をあぶりだす。 中学受験、トー横、起業サークル、悪徳コンサル、闇バイト。 「普通」が壊れた時代に漂う「自己本位」への誘惑。 【あらすじ】 ある青年から届いた手紙には、幼少期から「普通」を願って生活を送ってきたことが書かれていた。 普通の家庭、普通の教育、普通の交友関係。 多少の挫折はあっても、彼は「普通」の軌道に乗り続けている--はずだった。 今、彼はとても困難な状況にいる。 どこでそうなったのか。 どうしてそうなったのか。 両親が不仲だからか、トー横に行ってしまったからか、それとも大学時代の起業サークルが原因か、それとも重くのしかかる奨学金のせいだろうか。 三通の手紙があぶり出すのは、あらゆるものが可視化された現代社会にはびこる精神的幼稚さと、その行く末。 ぼくだけが悪いのでしょうか? 見えますか? この暗黒が。 出版社:講談社 発売日:2025.4 判型・製本:四六判変型 ページ数:224
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『救われてんじゃねえよ』上村裕香
¥1,540
主人公の沙智は、難病の母を介護しながら高校に通う17歳。 母の排泄介助をしていると言ったら、担任の先生におおげさなくらい同情された。 「わたしは不幸自慢スカウターで言えば結構戦闘力高めなんだと思う」。 そんな彼女を生かしたのは、くだらない奇跡だった。 出版社:新潮社 発売日:2025.4 判型・製本:四六判 ページ数:128
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『狭間の者たちへ』中西智佐乃
¥1,980
保険営業所に勤める藤原は、通勤電車で見かける少女に日々「元気」をもらっていた。ある日、同じ少女を盗撮する男との奇妙な交流が始まり――。 痴漢加害者の心理を容赦なく晒す表題作と、介護現場の暴力を克明に刻む新潮新人賞受賞作を収録。 愚かさから目を背けたいのに一文字ごとに飲み込まれる、弩級の小説体験! 出版社:新潮社 発売日:2023.6 判型・製本:四六判 ページ数:256
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『それいけ! 平安部』宮島未奈
¥1,760
県立菅原高校の入学式当日、 同じクラスになった安以加から 「平安時代に興味ない?」と栞は声をかけられた。 「平安部を作りたい」という 安以加の熱意に入部を決めるが、 新部を創設するには五人の部員が必要だった。 あと三人(泣)。 知恵をしぼって部員を集め、 平安部は誕生するが、 はたしてどんな活動が始まるのか──!? 出版社:小学館 発売日:2025.4 判型・製本:四六判並製 ページ数:256
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『珈琲怪談』恩田陸
¥1,980
なんか、怖い話ない? 異界が覗き、怪異の似合う古い街。 男たちが喫茶店に集ってすること、とは――。 男子会で、ホラーをダベる。京都、横浜、東京、神戸、大阪、再びの京都――。 なぜ多忙な四人の男たち(外科医、検事、作曲家、音楽プロデューサー)は、わざわざ遠出して喫茶店を何軒もハシゴしながら、怪談を披露し合うのか――。 そして、いつも茫洋としているが、気づくとなにか肝心なことをぼそっと呟く塚崎多聞とは誰なのか? ホラー小説家としてデビュー(『六番目の小夜子』)した著者による、深煎りネルドリップ、男子ホラーはいかが? 奇妙な味がじわじわ恐い(ほぼ実話)全6編。 出版社:幻冬舎 発売日:2025.4 判型・製本:四六判 ページ数:304
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『受け手のいない祈り』朝比奈秋
¥2,090
他人の命のため、自らの命を削る。 過酷な救命の現場を描く、魂の衝撃作。 感染症の拡大を背景に周囲の病院の救急態勢が崩壊する中、青年医師・公河が働く病院は「誰の命も見捨てない」を院是に患者を受け入れ続ける。 長時間の連続勤務による極度の疲労で、死と狂気が常に隣り合わせの日々。 我々の命だけは見捨てられるのか──芥川賞受賞の気鋭が医師としての経験を元に描いた、受賞後初の単行本。 出版社:新潮社 発売日:2025.3 判型・製本:四六判 ページ数:240
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『長くなった夜を、』中西智佐乃
¥1,650
コールセンターで派遣社員として働く関本環。 両親はともに高校教師で、環は幼いころから厳格な父親の教えに従い生きてきて、38歳になった現在も夜9時の門限を守っている。 そんな環とは対照的に、両親に反発し自由奔放な妹の由梨は、離婚した夫との間に公彦という男児がおり、実家に戻ってパートとバイトを掛け持ちしながら暮らしている。 環はそんな妹に代わり、公彦の世話をしているうち、居なくてはならないかけがえのない存在になっていた。 そんな時、由梨は両親と決別し、実家を出てマンションで暮らし始める。 公彦の様子が気になり、両親が寝静まった後、毎夜のように妹のマンションを見に行く環だったが、由梨が公彦を置いて男と出かけ行くのを目撃してしまう。 心配の果てに、環は以前父が放った「ある言葉」に突き動かされ、突発的な行動に出てしまい――。 家族というコミュニティーが抱える闇を露わにした問題作。 出版社:新潮社 発売日:2025.4 判型・製本:四六判 ページ数:144
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『物語じゃないただの傷』大前粟生
¥1,892
“男のくせにフェミニストやポリコレにおもねった”発信でメディアに引っ張りだこの後藤。 ある日、職も金もない男・白瀬が、後藤の秘密を盾に「家に住ませろ」と脅してきて…渾身の衝撃作! 「男の僕が有害な男性性を告発することが僕の大義なのだと、本気で思った。 どこで間違った?」 "ポリコレ系"文化人×"弱者男性"芸人 自らの"傷"を利用する二人の男。 歪な同居生活の行く末は―― 出版社:河出書房新社 発売日:2025.3 判型・製本:四六判 ページ数:144
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『曇りなく常に良く』井戸川射子
¥1,980
私たちの声はよく似ているのでどれも混ざる、来年も私たちは五人でいるだろう――。 同じ高校に通う少女たちの一年間を丁寧に描き出す青春群像劇。 出版社:中央公論新社 発売日:2025.3 判型・製本:四六判 ページ数:160
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『移動そのもの』井戸川射子
¥1,980
語りは未知なる情景を相手に伝えるためのものだが、一方で言葉はそれ自身次の言葉を求めて自在に繁茂していく。 そのふたつが合わさったとき、小説は一文一文、一語一語、圧倒的な速度で跳躍しながら、読む者を〈現在〉の強度へと誘いつづける。 2019年『する、されるユートピア』で中原中也賞、2023年『この世の喜びよ』で芥川賞に輝く、詩人・作家が放つ、言葉を読む原初的な快楽に溢れる最新短編集。 言葉が奔り、物語が跳ねる! 一文ごと一語ごとに世界が相貌を変えていく――めくるめく体験に満ちた9つの小宇宙。 出版社:筑摩書房 発売日:2025.3 判型・製本:四六判 ページ数:160
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『十二月八日・苦悩の年鑑 他十二篇』太宰治
¥1,001
「日本は無条件降伏をした。私はただ、恥ずかしかった」(「苦悩の年鑑」) ──第二次世界大戦前後、未曽有の混乱期に、作家はいかに時代と向き合ったか。 昭和一七年から二一年発表の一四篇を収める。 【目次】 十二月八日 水 仙 待 つ 花 火 故 郷 帰去来 作家の手帖 散 華 雪の夜の話 竹 青 庭 貨 幣 十五年間 苦悩の年鑑 出版社:岩波書店 発売日:2025.3 判型・製本:文庫 ページ数:328
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【サイン入り】『お口に合いませんでした』オルタナ旧市街
¥1,980
フードデリバリーの冷めたシチュー、北欧家具店のミートボール、激安居酒屋の肉寿司…… タワマンを遥か頭上に見上げ、気鋭の文筆家が都市生活の不満を嘆く憂鬱グルメ小説。 体調を崩した私は初めてデリバリーを注文するが、届いたシチューからは独特の冷えて固まった油のような匂いがして……(ゴースト・レストラン)。 10年ぶりの同窓会、クラスのLINEグループに「完全個室創作和食バル★肉寿司食べ放題! 3時間飲み放題付き2980円」の食べログURLが送られてくる(Girl meats Boy)。 おいしくない食事の記憶から都市生活のままならなさと孤独を描く、憂鬱なグルメ小説13篇を収録。 出版社:太田出版 発売日:2024.10 判型・製本:四六判変型 ページ数:200
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『四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』村上春樹(著) 、高妍(絵)
¥1,870
100パーセントの恋人たちへ──村上春樹と台湾の画家が描く瑞々しい世界。 世界中の読者に愛される初期短編の表題作と「鏡」。 二つの超人気短編が、瀟洒なピクチャー・ブックに。 物語は「昔々」で始まり、「悲しい話だと思いませんか」で終わる──ある朝、原宿の裏通りで少年と少女が偶然出会い、恋に落ちる。 しかし二人の運命は……。 若手画家と短編の村上ワールドが心地よく響き合う美しい一冊。 出版社:新潮社 発売日:2025.2 判型・製本:四六判変型 ページ数:64
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『ミナミの春』遠田潤子
¥1,980
SOLD OUT
痛みも後悔も乗り越えて、いつかきっと笑える。 売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻、父と血のつながらない高校生…… 大阪・ミナミを舞台に、人の「あたたかさ」を照らす群像劇。 「松虫通のファミリア」 「ピアニストになってほしい」亡妻の願いをかなえるために英才教育を施した娘のハルミは、漫才師になると言って出ていった。 1995年、阪神淡路大震災で娘を亡くした吾郎は、5歳になる孫の存在を「元相方」から知らされる。 「ミナミの春、万国の春」 元相方のハルミが憧れた漫才師はただ一組、「カサブランカ」。 ハルミ亡き後も追い続けたが、後ろ姿は遠く、ヒデヨシは漫才師を辞めた。 2025年、万博の春に結婚を決めたハルミの娘のため、ヒデヨシは「カサブランカ」に会いに行く。 (他、計6篇) 出版社:文藝春秋 発売日:2025.3 判型・製本:四六判 ページ数:328
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『月とアマリリス』町田そのこ
¥1,870
声なき声が届くなら、今度こそ記者を諦めない。 北九州市の高蔵山で一部が白骨化した遺体が発見された。 地元のタウン誌でライターとして働く飯塚みちるは、元上司で週刊誌編集者の堂本宗次郎の連絡でそのニュースを知る。 遺体と一緒に花束らしきものが埋めれられており、死因は不明だが大きな外傷はなかった。 警察は、遺体を埋葬するお金のない者が埋めたのではないかと考えているという。 遺体の着衣のポケットの中には、メモが入っていた。 部分的に読めるその紙には『ありがとう、ごめんね。みちる』と書かれていた。 遺体の背景を追って記事にできないかという宗次郎の依頼を、みちるは断る。 みちるには、ある事件の記事を書いたことがきっかけで、週刊誌の記者を辞めた過去があった。 自分と同じ「みちる」という名前、中学生のころから憧れ、頑張り続けた記者の仕事。 すべてから逃げたままの自分でいいのか。みちるは、この事件を追うことを決めた──。 出版社:小学館 発売日:2025.2 判型・製本:四六判 ページ数:368
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『夜明けのはざま』町田そのこ
¥1,870
SOLD OUT
自分の情けなさに、歯噛みしたことのない人間なんて、いない。 地方都市の寂れた町にある、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」。 仕事のやりがいと結婚の間で揺れ動く中、親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、元夫の恋人の葬儀を手伝うことになった花屋、世界で一番会いたくなかった男に再会した葬儀社の新人社員、夫との関係に悩む中、元恋人の訃報を受け取った主婦……。 出版社:ポプラ社 発売日:2023.11 判型・製本:四六判 ページ数:366
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『喫茶店文学傑作選』林哲夫(編)
¥990
多くの作家・芸術家を魅了し、作品の舞台、創作の淵源、彼らの交友の拠点となった「喫茶店」。 短篇小説、エッセイから、喫茶店文化の真髄に触れる。 出版社:中央公論新社 発売日:2023.9 判型・製本:文庫 ページ数:296
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『世界99 下』村田沙耶香
¥2,420
私たち、ピョコルンに、全部捨てられるようになりましたよね。 性欲を。出産を。育児を。介護を。人生の時間を食いつぶす、あらゆる雑務を。 14年前、「リセット」を経験した人類は混乱の最中にあった。 しかしラロロリン人の考えた「人間リサイクルシステム」がうまく機能し、やがて社会は再生を迎える。 そして49歳になった空子は「クリーンな人」として、美しく優しい世界を生きている。生まれ育った街「クリーン・タウン」の実家に戻り、同級生の白藤遥とその娘・波とともに。 ようやく訪れた穏やかな社会の中心には、さらなる変貌を遂げたピョコルンがいた。 村田沙耶香渾身の大長編、ここに完結。 都合の良い「道具」・ピョコルンを生み出した果てに、人類が到った極地とは――。 出版社:集英社 発売日:2025.3 判型・製本:四六判 ページ数:432