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『人質の朗読会』小川洋子
¥726
慎み深い拍手で始まる朗読会。 耳を澄ませるのは人質たちと見張り役の犯人、そして……。 しみじみと深く胸を打つ、祈りにも似た小説世界。 Lounge B booksの屋号は本書の中の一編「B談話室」から取っています。 当店にとって重要な一冊です。 "世界のあらゆる場所にB談話室はある" 出版社:中央公論新社 発売日:2014.2 判型・製本:文庫 ページ数:256
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『最近』小山田浩子
¥2,420
夫に付き添い初めての救急車でやってきた深夜の病院の待合室。 ふと思い出したのは、子供の頃に聞いた、赤い猫を見ると死ぬという噂――パンデミックというついこの間の出来事を背景に、ある平凡な夫婦とその周りの人々の生活を精緻に描き、日常の外側に読者を連れていく。 海外でも翻訳多数の気鋭作家による最新連作長篇。 出版社:新潮社 発売日:2024.11 判型・製本:四六判 ページ数:272
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【特典ステッカー付き】『箱庭クロニクル』坂崎かおる
¥2,090
邦文タイピストの少女がついた歴史を変える嘘や、禁書運動家の母親を持つ少女の始祖サンドで繋がれた絆、流行り病「ゾンビ」で親友を亡くした女性の不思議な一晩etc. 人生ベストの一編が、ここに。 出版社:講談社 発売日:2024.11 判型・製本:四六判 ページ数:284
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『ゆびさきに魔法』三浦しをん
¥1,980
育児中も、おじさんも、俳優も、ネイルのある毎日はいつだって幸せ クスリと笑えて胸温まる――。 月島美佐はネイルサロン『月と星』を営むネイリストだ。爪を美しく輝かせることで、日々の暮らしに潤いと希望を宿らせる――ネイルの魔法を信じてコツコツ働く毎日である。そんな月島のもとには今日も様々なお客様がやって来る。 巻き爪に苦しむも、ネイルへの偏見からサロンの敷居を跨ごうとしない居酒屋の大将。子育てに忙しく、自分をメンテナンスする暇もなくストレスを抱えるママ。ネイルが大好きなのに、パブリック・イメージからネイル愛を大っぴらにはできない国民的大河男優……。 酒に飲まれがちながらも熱意に満ちた新米ネイリスト・大沢星絵を得て、今日も『月と星』はお客様の爪に魔法をかけていく。 出版社:文藝春秋 発売日:2024.11 判型・製本:四六判・並製 ページ数:368
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『墨のゆらめき』三浦しをん
¥1,760
実直なホテルマンは奔放な書家と文字に魅せられていく。 都内の老舗ホテル勤務の続力は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ、副業の手紙の代筆を手伝うはめに。 この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え、依頼者の筆跡を模写するというものだった。 AmazonのAudible(朗読)との共同企画、配信開始ですでに大人気の書き下ろし長篇小説。 出版社:新潮社 発売日:2023.5 判型・製本:四六判変型 ページ数:232
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『あなたはここにいなくとも』町田そのこ
¥1,705
ほどいてつないで私はもう一度踏み出せる。 出会いも別れも愛おしくなる物語。 恋人に紹介できない家族、会社でのいじめによる対人恐怖、人間関係をリセットしたくなる衝動、わきまえていたはずだった不倫、ずっと側にいると思っていた幼馴染との別れ――いまは人生の迷子になってしまったけれど、あなたの道しるべは、ほら、ここに。 もつれた心を解きほぐす、ぬくもりに満ちた全五篇。 出版社:新潮社 発売日:2023.2 判型・製本:四六判 ページ数:256
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『カメオ』松永K三蔵
¥1,650
本社からの命令で何としても期日までに倉庫を建てなければならないのに、犬を連れた隣地の男・カメオがたちはだかる。不条理な可笑しみに彩られたデビュー作。 第171回芥川賞受賞「バリ山行」に先行する著者デビュー作。第64回群像新人文学賞・優秀作が待望の単行本刊行。 出版社:講談社 発売日:2024.12 判型・製本:四六変型 ページ数:144
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『上林曉傑作小説集 星を撒いた街』上林曉
¥2,420
市井の、私の、小さな世界を端正な文章で描き続けた作家、上林曉(かんばやし・あかつき)。 そのかなしくて、美しい小説世界。 既刊の撰集、文庫本に収録されていなかった作品のなかから、八編を精選。 出版社:夏葉社 発売日:2011.6 判型・製本:四六判・上製 ページ数:240
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『眠れない夜のために』千早茜(著)、西淑(絵)
¥1,760
直木賞作家・千早茜が紡ぐ、10の夜の物語。 人気イラストレーター・西淑による美しい挿絵とともに味わう、「眠れない夜」をテーマにした短編集。 「眠らなくてはと、まぶたを閉じる。けれど、目の奥にすこんとした空洞がある」。家族が寝静まった深夜、ひとり台所に佇む時間──第一夜「空洞」 「夜にあるのは、見えない恐ろしさではなく、見ようとしてしまう恐ろしさ」。美しい刺繡を生業とする「わたし」の暮らす土地に、ある日旅人が訪れて──第八夜「繡(うつく)しい夜」 「夜の底の黄金よ、君の寝顔は本当に変わらないから、こんな静かな晩は永遠に続く夜に閉じ込められてしまったような心持ちになるのだ」。眠り続ける「君」の呼吸に、傍らで耳をすます──第九夜「寝息」 ……ほか、夜の世界へと誘う10篇を所収。 出版社:平凡社 発売日:2024.11 判型・製本:四六判 ページ数:120
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『影を買う店』皆川博子
¥2,750
「消えても仕方ないと思っていた、小さい野花のような、でも作者は気に入っている作品たち。幻想を愛する読者の手にとどきますように」 ――皆川博子鍾愛の幻想・奇想小説集。 新装版。 出版社:河出書房新社 発売日:2024.12 判型・製本:四六判 ページ数:288
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『うつせみ』紗倉まな
¥1,760
「もし自分に飽きたなら、いくらでも取り替えてしまえばいいのよ」。 美容整形をくり返すばあちゃんは言うけれど、私は、なりたい自分がわからない。 見られることの痛みを描く、紗倉まなの最新小説。 周囲に馴染めずバイト先をクビになり、グラビアアイドルの仕事を始めた辰子。 売れっ子の仕事仲間はSNSの評価に神経をとがらせ、79歳のばあちゃんは傷跡を重ねながら整形をくり返す。 ゴールの見えない「美しさ」に追われ、ままならない体と生きづらさを抱える彼女たちは……。 出版社:講談社 発売日:2024.12 判型・製本:四六判 ページ数:144
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『藍を継ぐ海』伊与原新
¥1,760
数百年先に帰ってくるかもしれない。 懐かしい、この浜辺に――。 なんとかウミガメの卵を孵化させ、自力で育てようとする徳島の中学生の女の子。 老いた父親のために隕石を拾った場所を偽る北海道の身重の女性。 山口の島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男――。 人間の生をはるかに超える時の流れを見据えた、科学だけが気づかせてくれる大切な未来。 きらめく全五篇。 出版社:新潮社 発売日:2024.9 判型・製本:四六判変型 ページ数:272
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『虚の伽藍』月村了衛
¥2,200
より多くの金をつかんだ者が京都を制する――最後に嗤うのは仏か鬼か。 日本仏教の最大宗派・燈念寺派で弱者の救済を志す若き僧侶・志方凌玄。 バブル期の京都を支配していたのは、暴力団、フィクサー、財界重鎮に市役所職員……古都の金脈に群がる魑魅魍魎だった。 腐敗した燈念寺派を正道に戻すため、あえて悪に身を投じる凌玄だが、金にまみれた求道の果てに待っていたのは――。 圧巻の社会派巨編。 出版社:新潮社 発売日:2024.10 判型・製本:四六判変型 ページ数:432
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『飽くなき地景』荻堂顕
¥2,145
土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道は、多数のビルを建て、東京の景観を変えていく家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀、一族の守り神でもある粟田口久国の「無銘」の美しさに幼いころから魅せられていた。 家に伝わる宝を守り、文化に関わる仕事をしたいと志す治道だったが、祖父の死後、事業を推し進める父・道隆により、「無銘」が渋谷を根城にする愚連隊の手に渡ってしまう。 治道は刀を取り戻すため、ある無謀な計画を実行に移すのだが……。 やがて、オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌するなか、その裏側で「無銘」にまつわる事件が巻き起こる。 刀に隠された一族の秘密と愛憎を描く美と血のノワール。 出版社:KADOKAWA 発売日:2024.10 判型・製本:四六判 ページ数:384
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『冬と瓦礫』砂原浩太朗
¥1,870
1995年1月17日未明、阪神・淡路大震災が発生した。 神戸市内の高校から都内の大学に進学し、東京で働いていた青年は、早朝の電話に愕然とする。 かけてきたのは高校時代の友人で、故郷が巨大地震に見舞われたという。 慌ててテレビをつけると、画面には信じられない光景が映し出されていた。 被災地となった地元には、高齢の祖父母を含む家族や友人が住んでいる。 彼は、故郷・神戸に向かうことを決意した。 鉄道は途中までしか通じておらず、最後は水や食料を背負って十数キロを歩くことになる。 山本周五郎賞を受賞した作家が自らの体験をもとに、震災から30年を経て発表する初の現代小説。 出版社:集英社 発売日:2024.12 判型・製本:四六判 ページ数:176
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『ミスター・チームリーダー』石田夏穂
¥1,650
理想を求める中間管理職の奮闘に切り込む、シニカルなボディ・メイキング文学。 勤務先で係長に抜擢された後藤は、ボディビルの選手でもあった。 ある日、社内の人材の無駄に切り込み組織の代謝を上げると大会に向けて停滞中だった減量も進むことに気づき、身体を仕上げるべくチームの脂肪の除去に驀進し始める。 肉体と組織がシンクロしたとき、たたき出されるのはベストパフォーマンスか、それとも――。 出版社:新潮社 発売日:2024.11 判型・製本:四六判 ページ数:128
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『ハイパーたいくつ』松田いりの
¥1,650
【日常から退屈を引き剥がすつもりが、なぜか服も人生もすべてボロボロに――】 職場では1000倍の支払いミス。私生活では高額な衣服の買いすぎでクレカ借金。62万円課金したジャケット姿は無様なペンギンに似ているから「ペンペン」呼ばわり。そんな日常がひたすら退屈。 「私は大人になれるだろうか。大人になれなければせめてペンペンとして溺れる姿をみんなに見せなくてはならないのだろうか――」 鬱屈アンド窮屈な現実がついに崩壊するとき、壊れた私の壊れた言葉が、壊れた風景を呼び起こす。 言葉が現実を食い破る、超現実アルティメット文学!(版元HPより) 出版社:河出書房新社 発売日:2024.11 判型・製本:四六判 ページ数:112
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『光のそこで白くねむる』待川匙
¥1,650
十年ぶりに、坂と崖に囲まれた故郷の田舎町をおとずれた「わたし」。 墓地へと続く道を進むと、死んだはずの幼馴染「キイちゃん」の声が語りかけてくる。 行方不明の母、蒙昧な神のごとき父、汚言機械と化した祖母…… 不確かな記憶が流れ込み、平凡な田舎に呪われた異界が立ち上がる。 第61回文藝賞受賞作。 出版社:河出書房新社 発売日:2024.11 判型・製本:四六判 ページ数:112
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『耳に棲むもの』小川洋子
¥1,980
SOLD OUT
耳の中に棲む私の最初の友だちは 涙を音符にして、とても親密な演奏をしてくれるのです。 補聴器のセールスマンだった父の骨壺から出てきた四つの耳の骨(カルテット)。 あたたかく、ときに禍々しく、 静かに光を放つようにつづられた珠玉の最新作品集。 「骨壺のカルテット」 補聴器のセールスマンだった父は、いつも古びたクッキー缶を持ち歩いていた。 亡くなった父と親しかった耳鼻科の院長先生は、骨壺から4つの骨のかけらを取り出してこう言った。 「お父さまの耳の中にあったものたちです。正確には、耳の中に棲んでいたものたち、と言えばよろしいでしょうか……」。 「耳たぶに触れる」 収穫祭の“早泣き競争”に出場した男は、思わず写真に撮りたくなる特別な耳をもっていた。 補聴器が納まったトランクに、男は掘り出したダンゴムシの死骸を収める。 「今日は小鳥の日」 小鳥ブローチのサイズは、実物の三分の一でなければなりません。 嘴と爪は本物を用います。 残念ながら、もう一つも残っておりませんが。 「踊りましょうよ」 補聴器のメンテナンスと顧客とのお喋りを終えると、セールスマンさんはこっそり人工池に向かう。 そこには“世界で最も釣り合いのとれた耳”をもつ彼女がいた。 「選鉱場とラッパ」 少年は、輪投げの景品のラッパが欲しかった。 「どうか僕のラッパを誰かが持って帰ったりしませんように……」。 お祭りの最終日、問題が発生する。 出版社:講談社 発売日:2024.10 判型・製本:四六判 ページ数:136
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【サイン本】『新しい恋愛』高瀬隼子
¥1,760
SOLD OUT
※お一人様一点でお願いします。 みんなの恋愛をわたしは知らない。 芥川賞受賞のベストセラー『おいしいごはんが食べられますように』著者が放つ、最高の〈恋愛〉小説集。 あなたはどこまで共感できますか? ひと筋縄ではいかない5つの「恋」のかたち。 出版社:講談社 発売日:2024.9.12 判型・製本:四六判 ページ数:192
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『ドヴォルザークに染まるころ』町田そのこ
¥1,870
小学生のとき、担任の先生と町の外からやって来た男が駆け落ちしたのを忘れられない主婦。 東京でバツイチ子持ちの恋人との関係に寂しさを覚える看護師。 認知症の義母に夫とのセックスレスの悩みを打ち明ける管理栄養士。 父と離婚した母が迎えに来て、まもなく転校することになる小六の女の子。 発達障害のある娘を一人で育てるシングルマザー。 遠き山に日は落ちて―― 小さな町で、それぞれの人生を自分らしく懸命に生きる女性たちを描いた感動作。 出版社:光文社 発売日:2024.11 判型・製本:四六判ハード ページ数:288
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『皆のあらばしり』乗代雄介
¥1,650
ぼくと中年男は、謎の本を探し求める。 幻の書の新発見か、それとも偽書か――。 高校の歴史研究部活動で城址を訪れたぼくは中年男に出会う。 人を喰った大阪弁とは裏腹な深い学識で、男は旧家の好事家が蔵書目録に残した「謎の本」の存在を追い始めた。 うさん臭さに警戒しつつも、ぼくは男の博識に惹かれていく。 ラストの逆転劇が光る、良質のミステリのような注目作。 出版社:新潮社 発売日:2021.12 判型・製本: 四六判 ページ数:144
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『無垢なる花たちのためのユートピア』川野芽生
¥990
楽園を目指し空をゆく船から、ひとりの少年が墜落した。かれの死は不運な事故とされた。 この希望に満ちた船上に、みずから身を投げる理由などあるはずがなかったから。 しかし、親友の矢車菊には気がかりなことがあった。 親友の死のほんとうの理由を探して、矢車菊は船の中の隠された場所へと足を踏み入れる。 歌人、小説家、評論家として活躍する川野芽生、初の小説集がついに文庫化。 出版社:東京創元社 発売日:2024.9 判型・製本:文庫 ページ数:360
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『超空洞物語』古川日出男
¥2,090
その〈空洞〉から、すべては始まった。 天下の奇書か、物語の起源か?日本最古の大長篇「うつほ物語」の謎を、光源氏が解きあかす。 「平家物語」を全訳した著者が、一千年の日本文学史を超絶マッシュアップ。 歴史を現代につなぐ驚異の新作! 京の都の政治抗争を逃れ、みずから須磨の海辺へと流寓した光源氏。 侘び住まいに携えたのは父帝ゆかりの七絃の琴と、 七絃の琴の一族を描く大長篇「うつほ物語」の第一巻だった。満月の宵、徒然なるままに「うつほ」の最終場面を墨絵に描いた光源氏は、その巨大な物語の迷宮を遡り、九枚の物語絵によって読み解いていく――。 日本物語文学史の豊饒なる起源を、現代に再生させる冒険の書。 出版社:講談社 発売日:2024.10 判型・製本:四六判 ページ数:168