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『人質の朗読会』小川洋子
¥836
慎み深い拍手で始まる朗読会。 耳を澄ませるのは人質たちと見張り役の犯人、そして……。 しみじみと深く胸を打つ、祈りにも似た小説世界。 Lounge B booksの屋号は本書の中の一編「B談話室」から取っています。 当店にとって重要な一冊です。 "世界のあらゆる場所にB談話室はある" 出版社:中央公論新社 発売日:2014.2 判型・製本:文庫 ページ数:256
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【サイン本】『スノードームの捨てかた』くどうれいん
¥1,705
※おひとりさま1点でお願いします。 ままならない人生に巻き起こる、心ざわつく悲喜こもごも――。 エッセイで日常のシーンを鮮やかに切り取り掬い上げてきたくどうれいんが描く、風味絶佳な初の小説作品集。 「そうだ。この間、酔って穴掘ったんだよ」「穴?」「どこに」 高校時代からの三人の友情は、公園の穴に吸い寄せられてゆく。 (「スノードームの捨てかた」) 「いいんだよ、バイキングって『ご自由に』って意味なんだから」 同じヨガ教室に通う美女・ようこさん。彼女の“秘密”を知った私は――。 (「鰐のポーズ」) 「どういうことですか」「こういうことです」 別れた恋人との指輪の処分に迷うまみ子が出会った、しゃがみ込む男。 (「川はおぼえている」) 「すみません相席いいですか」 美術館の監視係をするわたしに舞い込んだ恋の予感、のはずが……。(「背」)」 「なにか直してほしいところ聞きたい、時間つくるから、つくって」 ――結婚目前の彼女からの不穏な質問。 (「湯気」) 「あら、じゃあもう決定だ、正解だ、運命だ」 仕事を辞め、虚ろな毎日で見つけたのは、一枚の祖父の絵だった。 (「いくつもの窓」) 思ってもみなかった。こんなに心ざわつく日がくるなんて。 くどうれいんが描く傑作6篇 出版社:講談社 発売日:2025.5 判型・製本:四六判 ページ数:192
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『ギンイロノウタ』村田沙耶香
¥693
少女の顔をした、化け物が目覚める。 戦慄の女子小説、誕生! 極端に臆病な幼い有里の初恋の相手は、文房具屋で買った銀のステッキだった。 アニメの魔法使いみたいに杖をひと振り、押入れの暗闇に銀の星がきらめき、無数の目玉が少女を秘密の快楽へ誘う。 クラスメイトにステッキが汚され、有里が憎しみの化け物と化すまでは……。 少女の孤独に巣くう怪物を描く表題作と、殺意と恋愛でつむぐ女子大生の物語「ひかりのあしおと」。 衝撃の2編。
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『タダイマトビラ』村田沙耶香
¥572
帰りませんか、「家族」の無い純粋な世界へ。 新芥川賞作家が放つ衝撃の自分探し物語。 母性に倦んだ母親のもとで育った少女・恵奈は、「カゾクヨナニー」という密やかな行為で、抑えきれない「家族欲」を解消していた。 高校に入り、家を逃れて恋人と同棲を始めたが、お互いを家族欲の対象に貶め合う生活は恵奈にはおぞましい。 人が帰る所は本当に家族なのだろうか? 「おかえり」の懐かしい声のするドアを求め、人間の想像力の向こう側まで疾走する自分探しの物語。
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『コンビニ人間』村田沙耶香
¥693
36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。 日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、 「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。 「いらっしゃいませー!!」 お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。 ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、 そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。
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『信仰』村田沙耶香
¥715
「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」 好きな言葉は「原価いくら?」 現実こそが正しいのだと強く信じる、超・現実主義者の私が、 同級生から、カルト商法を始めようと誘われて――。 世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の11の短篇+エッセイ。 文庫化にあたり、短篇小説「無害ないきもの」「残雪」、エッセイ「いかり」を追加。 書き下ろしエッセイ「書かなかった日記――文庫版によせて」を巻末に収録。
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『嘘と隣人』芦沢央
¥1,760
ストーカー化した元パートナー、マタハラと痴漢冤罪、技能実習制度と人種差別、SNSでの誹謗中傷・脅し……。 リタイアした元刑事の平穏な日常に降りかかる事件の数々。 身近な人間の悪意が白日の下に晒された時、捜査権限を失った男・平良正太郎は、事件の向こうに何を見るのか?
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『生活』町屋良平
¥3,300
「まるで春の超絶って感じ」 1頁先が予測不可能、生活自体を経験する小説。 渋谷の隣、代官山の古い一軒家で父と暮らす椿は二十歳になったばかり。 バイト代はほぼ服に費やし、友達に囲まれ、彼女ができたり振られたりの一見刺激的な日々。 だがそれはいつまで続くのか。 果たして「生活」と言えるのか──文芸の最先端を突き進む作家による、偶然と必然に彩られたジェットコースター・ストーリー。
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『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』 金原ひとみ
¥2,420
MeToo運動、マッチングアプリ、SNS……世界の急激な変化の中で溺れもがく人間たち。対立の果てに救いは訪れるのか? 「わかりあえないこと」のその先を描く、日本文学の最高到達点。 文芸誌「叢雲(むらくも)」元編集長の木戸悠介、その息子で高校生の越山恵斗、編集部員の 五松、五松が担当する小説家の長岡友梨奈、その恋人、別居中の夫、引きこもりの娘。 ある女性がかつて木戸から性的搾取をされていたとネットで告発したことをきっかけに、加害者、被害者、その家族や周囲の日常が絡みあい、うねり、予想もつかないクライマックスへ——。
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『アタラクシア』金原ひとみ
¥836
文庫。 ままならない結婚生活に救いを求めてもがく男と女 最も幸せな瞬間を、夫とは別の男と過ごす翻訳者の由依。浮気する夫や文句ばかりの母親、反抗的な息子に、限界まで苛立つパティシエの英美。 妻に強く惹かれながらも、何をしたら彼女が幸せになるのか分からない作家の桂……。 望んで結婚したはずなのに、どうしてこんなに苦しいのだろう──ままならない結婚生活に救いを求めもがく男女を、圧倒的熱量で描き切る。
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『持たざる者』金原ひとみ
¥726
文庫。 一瞬の出来事で、日常生活が思いがけない方向に進んでいく──。 東日本大震災を境に変わってしまった四人の男女、それぞれの思いが絡まり合いながら、鮮やかに描かれる人生の葛藤。
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『ミーツ・ザ・ワールド』金原ひとみ
¥1,650
文庫 死にたいキャバ嬢×推したい腐女子 焼肉擬人化漫画をこよなく愛する腐女子の由嘉里。 人生二度目の合コン帰り、酔い潰れていた夜の新宿歌舞伎町で、美しいキャバ嬢・ライと出会う。 「私はこの世界から消えなきゃいけない」と語るライ。彼女と一緒に暮らすことになり、由嘉里の世界の新たな扉が開く――。 「どうして婚活なんてするの?」 「だって! 孤独だし、このまま一人で仕事と趣味だけで生きていくなんて憂鬱です。最近母親の結婚しろアピールがウザいし、それに、笑わないで欲しいんですけど、子供だっていつかは欲しいって思ってます」 「仕事と趣味があるのに憂鬱なの? ていうか男で孤独が解消されると思ってんの? なんかあんた恋愛に過度な幻想抱いてない?」 「私は男の人と付き合ったことがないんです」 推しへの愛と三次元の恋。 世間の常識を軽やかに飛び越え、幸せを求める気持ちが向かう先は……。
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『二木先生』 夏木志朋
¥858
文庫。 どうしたら普通に見えるんだろう。 どうしたら普通に話せるんだろう――。 いつもまわりから「変」と言われ続けてきた高校生の田井中は、自分を異星人のように感じていた。 友だちが欲しいなんて贅沢なことは言わない。 クラスのなかで普通に息さえできたなら。 そのためならば、とむかしから好きでもない流行りの歌を覚え、「子供らしくない」と言われれば見よう見まねで「子供らしく」振舞ってもみた。 でも、ダメだった。 何をやっても浮き上がり、笑われてしまう。 そんな田井中にとって唯一の希望は、担任の美術教師・二木の存在だった。 生徒から好かれる人気教師の二木だったが、田井中はこの教師の重大な秘密を知っていたのだ。 生きづらさに苦しむ田井中は二木に近づき、崖っぷちの「取引」を持ち掛ける――。 社会から白眼視される「性質」をもった人間は、どう生きればよいのか。 その倫理とは何か。 現代の抜き差しならぬテーマと向き合いつつ予想外の結末へと突き抜けていく、驚愕のエンタテインメント。
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『携帯遺産』鈴木結生
¥1,870
実家の焼失、震災、父の失踪。 小説家が「自分の人生」を小説にするとき、ついに見つけたもの──。 小雨降る四月の晩、人気ファンタジー作家の舟暮按は、知己の編集者から自伝小説の執筆を依頼される。 〈飛行〉と〈蒐集〉を手掛かりに、膨大な「人生の記録」を探索するなか、やがて彼女は生き別れた父を求め始め……。 出版社:朝日新聞出版 発売日:2025.6 判型・製本:四六判上製 ページ数:208
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『現代生活独習ノート』津村記久子
¥770
「リフレッシュ休暇をもらったが、もはや私にはリフレッシュする気力自体が残っていなかったのだった。」 入社希望の学生のSNSチェックに疲れ果てた会社員。 代々続く母と娘の台所戦争。 遅れても許せてしまうことが美点のロバによる配送サービス……。 膨大な情報の摂取と判断に疲れてしまった現代人の生活に寄り添うやさしさと、明日を生きるための元気をくれるユーモア満載! 味気ない日々をゆるゆると肯定し、現代人の張りつめた心をゆるめる短編集。 出版社:講談社 発売日:2025.5 判型・製本:文庫 ページ数:272
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『たのしい保育園』 滝口悠生
¥2,200
SOLD OUT
二歳のももちゃんとお父さんは日々、川べりを歩く。 かけがえない瞬間を描く、新時代の「父」小説。 出版社:河出書房新社 発売日:2025.4 判型・製本:四六判 ページ数:224
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『長い一日』滝口悠生
¥2,475
「どこまでも伸びる一日。そして過ぎてみれば、たった一日。」 小説家の夫と妻は、住み慣れた家からの引っ越しを考え始めた。 長いつきあいの友人たちやまわりの人々、日々の暮らしの中でふと抱く静かで深い感情、失って気づく愛着、交錯する記憶。 かけがえのない時間を描く、著者4年ぶりの長編小説。 出版社:講談社 発売日:2021.6 判型・製本:四六変型 ページ数:354
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『ラーメンカレー』滝口悠生
¥1,870
「すべての出会いは運命的だ」 35歳、9月。 ロンドンで高校の同級生の結婚式に参加した。 仁と茜の夫婦は、茜の古い友達を訪ねてペルージャまで足を延ばす。 そして窓目くんは、結婚式でシルヴィに出会ってしまったのだった。 言葉と記憶があふれだす、旅の連作短編集。 出版社:文藝春秋 発売日:2023.2 判型・製本:四六判 ・製 ページ数:264
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『死んでいない者』滝口悠生
¥781
SOLD OUT
通夜が奇跡の一夜に。 通夜のために集まった親族たちの一夜のふるまい、思い、記憶――傑作の誉れ高い第154回芥川賞受賞作。 出版社:文藝春秋 発売日:2019.3 判型・製本:文庫 ページ数:224
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『石ころ路』田畑修一郎
¥1,870
【版元紹介より】 小品をもって、作者や作品との出会い、本との出会いの場へと誘う「灯光舎 本のともしびシリーズ」第2弾は昭和期に活躍した早世の作家・田畑修一郎の作品3編をお届けします。 暗く切ない人間模様のなかにどこか親しみを感じる「あの路この路」、生への執念と小説家として生きる希望と現実の葛藤を見事に描き出した「木椅子の上で」の2編、そして、田畑文学の柱のひとつといえる「石ころ路」を収録。 自身の病と私生活の苦悩から逃れるように三宅島へ赴いたひとりの男が主人公の「石ころ路」は、現地の風景や住民との交流をきっかけに、陰鬱としたなかに一筋の光を見つけるように少しずつ自身を取り戻していく姿が描かれます。 日常生活を正面からとらえ、自分を静かに見つめて描かれた田畑文学の一端を読者の心に届けます。 田畑修一郎の作品を収録した類書は少ないかと思いますので、多くの方々にとって田畑文学との出会いになる貴重な1冊になれば幸いです。 出版社:灯光舎 発売日:2021.7 判型・製本:B6変形・上製 ページ数:120
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『普通の底』月村了衛
¥2,035
「ただ普通でありたかった」 誰か教えてください。 ぼくはどう生きればよかったのでしょうかーー。 三通の手紙に刻まれた魂の叫びが、現代の精神的堕落をあぶりだす。 中学受験、トー横、起業サークル、悪徳コンサル、闇バイト。 「普通」が壊れた時代に漂う「自己本位」への誘惑。 【あらすじ】 ある青年から届いた手紙には、幼少期から「普通」を願って生活を送ってきたことが書かれていた。 普通の家庭、普通の教育、普通の交友関係。 多少の挫折はあっても、彼は「普通」の軌道に乗り続けている--はずだった。 今、彼はとても困難な状況にいる。 どこでそうなったのか。 どうしてそうなったのか。 両親が不仲だからか、トー横に行ってしまったからか、それとも大学時代の起業サークルが原因か、それとも重くのしかかる奨学金のせいだろうか。 三通の手紙があぶり出すのは、あらゆるものが可視化された現代社会にはびこる精神的幼稚さと、その行く末。 ぼくだけが悪いのでしょうか? 見えますか? この暗黒が。 出版社:講談社 発売日:2025.4 判型・製本:四六判変型 ページ数:224
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『救われてんじゃねえよ』上村裕香
¥1,540
SOLD OUT
主人公の沙智は、難病の母を介護しながら高校に通う17歳。 母の排泄介助をしていると言ったら、担任の先生におおげさなくらい同情された。 「わたしは不幸自慢スカウターで言えば結構戦闘力高めなんだと思う」。 そんな彼女を生かしたのは、くだらない奇跡だった。 出版社:新潮社 発売日:2025.4 判型・製本:四六判 ページ数:128
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『狭間の者たちへ』中西智佐乃
¥1,980
保険営業所に勤める藤原は、通勤電車で見かける少女に日々「元気」をもらっていた。ある日、同じ少女を盗撮する男との奇妙な交流が始まり――。 痴漢加害者の心理を容赦なく晒す表題作と、介護現場の暴力を克明に刻む新潮新人賞受賞作を収録。 愚かさから目を背けたいのに一文字ごとに飲み込まれる、弩級の小説体験! 出版社:新潮社 発売日:2023.6 判型・製本:四六判 ページ数:256
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『それいけ! 平安部』宮島未奈
¥1,760
県立菅原高校の入学式当日、 同じクラスになった安以加から 「平安時代に興味ない?」と栞は声をかけられた。 「平安部を作りたい」という 安以加の熱意に入部を決めるが、 新部を創設するには五人の部員が必要だった。 あと三人(泣)。 知恵をしぼって部員を集め、 平安部は誕生するが、 はたしてどんな活動が始まるのか──!? 出版社:小学館 発売日:2025.4 判型・製本:四六判並製 ページ数:256