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『人質の朗読会』小川洋子
¥726
慎み深い拍手で始まる朗読会。 耳を澄ませるのは人質たちと見張り役の犯人、そして……。 しみじみと深く胸を打つ、祈りにも似た小説世界。 Lounge B booksの屋号は本書の中の一編「B談話室」から取っています。 当店にとって重要な一冊です。 "世界のあらゆる場所にB談話室はある" 出版社:中央公論新社 発売日:2014.2 判型・製本:文庫 ページ数:256
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【サイン本】『スノードームの捨てかた』くどうれいん
¥1,705
※おひとりさま1点でお願いします。 ままならない人生に巻き起こる、心ざわつく悲喜こもごも――。 エッセイで日常のシーンを鮮やかに切り取り掬い上げてきたくどうれいんが描く、風味絶佳な初の小説作品集。 「そうだ。この間、酔って穴掘ったんだよ」「穴?」「どこに」 高校時代からの三人の友情は、公園の穴に吸い寄せられてゆく。 (「スノードームの捨てかた」) 「いいんだよ、バイキングって『ご自由に』って意味なんだから」 同じヨガ教室に通う美女・ようこさん。彼女の“秘密”を知った私は――。 (「鰐のポーズ」) 「どういうことですか」「こういうことです」 別れた恋人との指輪の処分に迷うまみ子が出会った、しゃがみ込む男。 (「川はおぼえている」) 「すみません相席いいですか」 美術館の監視係をするわたしに舞い込んだ恋の予感、のはずが……。(「背」)」 「なにか直してほしいところ聞きたい、時間つくるから、つくって」 ――結婚目前の彼女からの不穏な質問。 (「湯気」) 「あら、じゃあもう決定だ、正解だ、運命だ」 仕事を辞め、虚ろな毎日で見つけたのは、一枚の祖父の絵だった。 (「いくつもの窓」) 思ってもみなかった。こんなに心ざわつく日がくるなんて。 くどうれいんが描く傑作6篇 出版社:講談社 発売日:2025.5 判型・製本:四六判 ページ数:192
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『携帯遺産』鈴木結生
¥1,870
実家の焼失、震災、父の失踪。 小説家が「自分の人生」を小説にするとき、ついに見つけたもの──。 小雨降る四月の晩、人気ファンタジー作家の舟暮按は、知己の編集者から自伝小説の執筆を依頼される。 〈飛行〉と〈蒐集〉を手掛かりに、膨大な「人生の記録」を探索するなか、やがて彼女は生き別れた父を求め始め……。 出版社:朝日新聞出版 発売日:2025.6 判型・製本:四六判上製 ページ数:208
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『そもそも交換日記』桜林直子、土門蘭
¥2,420
東京と京都。雑談と文筆。 離れた場所で「言葉」を軸に働き暮らす サクちゃん(桜林直子)と蘭ちゃん(土門蘭)、1年間の交換日記。 「そもそも」から生まれる疑問に対して、ふたりはその問いを深く見つめる。 そして、見つめ続けた先にある答えがどうであれ、ふたりはそれを自分の言葉にして表現する。 読者はふたりの思考の一部始終をいっしょにたどることで、自分が欲しかった言葉に出合えるかもしれない。 出版社:葉々社 発売日:2025.5 判型・製本:四六判 ページ数:346
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『ケアと編集』白石正明
¥1,056
もはやこれまでと諦めてうなだれたとき、足元にまったく違うモノサシが落ちている。 与えられた問いの外に出てみれば、あらふしぎ、あなたの弱さは克服すべきものじゃなく、存在の「傾き」として不意に輝きだす──。 〈ケアをひらく〉の名編集者が一人ひとりの弱さをグッと後押し。 自分を変えずに生きやすくなる逆説の自他啓発書。 出版社:岩波書店 発売日:2025.4 判型・製本:新書判 ページ数:254
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『格差の“格”ってなんですか?』勅使川原真衣
¥1,760
「タイパ」重視、「自己肯定感」育て、「ウェルビーイング指標」の活用、「自立」の推進、「リスキリング」のススメ、「機嫌」を良くする方法、「成長」の希求、「つぶしが効く」能力……。 社会でもてはやされる「よりよい生き方」「しあわせになる方法」を疑い、軽やかに解きほぐす20の問い。 出版社:朝日新聞出版 発売日:2025.1 判型・製本:四六判並製 ページ数:240
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『学歴社会は誰のため』勅使川原真衣
¥1,155
長年の学歴論争に一石を投じる! 学歴不要論など侃侃諤諤の議論がなされるのに、なぜ学歴社会はなくならないのか。 誰のために存在するのか。 背景にあるのは、「頑張れる人」を求める企業と、その要望に応えようとする学校の“共犯関係”だった? 人の「能力」を測ることに悩む人事担当者、学歴がすべてではないとわかっていてもつい学歴を気にしてしまうあなたへ。 教育社会学を修め、企業の論理も熟知する組織開発の専門家が、学歴社会の謎に迫る。 出版社:PHP研究所 発売日:2025.3 判型・製本:新書判 ページ数:248
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『「透明」になんかされるものか 鷲田清一エッセイ集』鷲田清一
¥2,035
SOLD OUT
朝日新聞『折々のことば』でおなじみの哲学者・鷲田清一、6年ぶりのエッセイ集! 2019年以降、ウクライナや震災、コロナなど、未曾有の日々に起こった社会のできごとに隠れた本質的な問いを、深くやさしい言葉で解き明かす。 疑いもなくじぶんはここにいる(はず)なのに、それがだれにも見えていない、このことを「透明」というふうに表現している文章に、ここ数日間のあいだに立て続けに出会った。[…] この社会で「マイナー」とみなされてきた人びとの存在。生き物としての市民一人ひとりの生活を維持するのに不可欠な装置とそれに従事する人びとの労働。それらはまるでシャッターを下ろすかのように、「マジョリティ」の視線から外されてきた。[…]見えているのにだれも見ていないものを見えるようにするだけでなく、だれかの存在をそのように見えなくしている社会の構造そのものを見えるようにしていかなければならない。社会について考えるということには、少なくともそうした課題が含まれているとおもう。――プロローグより ・コロナの経験をどのように人類は今後に生かしていくのか ・ウクライナやガザなど彼の地で起こっている戦争をどう受け止め、日本にいる私たちにできることは一体何なのか ・旧ジャニーズや政治家の、会見での一連の不均衡さはなぜ起こるのか ・「SDGs」という正しい言葉への不信感 …… 日々目にするニュースをどう受け止めればよいかわからない人、さらに一歩踏み込んで考えてみたい方に。 出版社:朝日新聞出版 発売日:2025.5 判型・製本:四六判 ページ数:284
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『「聴く」ことの力』 鷲田清一
¥1,100
「聴く」―目の前にいる相手をそのまま受け止めるいとなみが、他者と自分理解の場を劈く。本書は、不条理に苦しむこころからことばがこぼれ落ちるのを待ち、黙って迎え入れる受け身の行為がもたらす哲学的可能性を模索する。 さらにメルロ=ポンティ、ディディエ・アンジュー、レヴィナスなどを援用しつつ、ケアの現場や苦しみの現場において思考を重ねることで、「臨床哲学」という新しい地平を生み出した。 出版社:筑摩書房 発売日:2015.4 判型・製本:文庫 ページ数:288
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『想像のレッスン』鷲田清一
¥1,034
「他者の未知の感受性にふれておろおろするじぶんをそのまま晒けだしたかった」という著者のアート評論。 かすかな違和の感覚を掬い取るために日常の「裂け目」に分け入り、「見る」ことの野性を甦らせるアートの跳躍力とは。アート、演劇、舞踏、映画、写真、音楽、ファッションなどについて、「ここにあるものを手がかりにここにないものを思う」評論集。 出版社:筑摩書房 発売日:2019.5 判型・製本:文庫 ページ数:336
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『出会いはいつも八月』ガブリエル・ガルシア=マルケス(著) 、旦敬介(訳)
¥2,420
この島で、母の死を癒してくれる男に抱かれたい。 束の間、夫を忘れて。 音楽家の優しい夫と、二人の子宝にもめぐまれ何不自由ない結婚生活をおくるアナ。 毎年、母親が埋葬されているカリブ海の島へ出かけるアナだが、人知れず、現地の男と一夜限りの関係を結ぶことを心待ちにしていた。 刹那的な関係に心身を燃やすアナが出会った男たちとは――。 ノーベル文学賞作家が最期まで情熱を注いだ未完の傑作。 出版社:新潮社 発売日:2024.3 判型・製本:四六判変型 ページ数:128
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『マリはすてきじゃない魔女』柚木麻子(著)、坂口友佳子(絵)
¥1,320
だれかのための「すてき」はもういらない。 自分の心に素直になれば、あなたも「魔女」になれるかも!? ふたりの魔女ママとくらす11歳の魔女マリは、食いしんぼうで、おしゃれが大好きな女の子。「魔法は自分のために使ってはいけない」きまりを今日も忘れ、ジャムドーナツを「倍数の魔法」で巨大化させたから学校じゅうが大パニック! 親友ふたり、算数が得意なスジと魔女に憧れるレイのおかげで無事だったのに、ママからはお説教。 大人たちは、みんなと生きるためには、人の役に立つ「すてきな魔女」になりなさいっていうんだけど、それってなんかヘンじゃない……? 『本屋さんのダイアナ』『らんたん』の柚木麻子、初の児童文学! マリにふりまわされながらも、町のみんなが自分のための魔法を見つけていく物語。 出版社:エトセトラブックス 発売日:2023.12 判型・製本:四六判並製 ページ数:168
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『散文』谷川俊太郎
¥2,420
旅、音楽、季節、そして言葉。 詩人・谷川俊太郎が 60~70年代に綴った思索の記憶 旅と出会い。 音楽・映画・美術についての感想。日々の思索。 書くことへの自問。 世界の美しさに人一倍酔いながらも、どんなささやかなものも決して感じつくし、知りつくすことができない自分に奇妙ないらだちを覚える……。 詩作の根源にふれた重要な論考「発語の根はどこにあるのか」「『何ひとつ書く事はない』と書けるということ」を含む、詩人・谷川俊太郎が60~70年代に綴った貴重なエッセイ集。 出版社:晶文社 発売日:2025.5 判型・製本:四六判並製 ページ数:320
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【サイン本】『あなたに犬がそばにいた夏』岡野大嗣(短歌)、佐内正史(写真)
¥2,090
SOLD OUT
【サイン本の予約を承ります】〆切:5/19 2025年6月上旬より順次発送予定 歌人の岡野大嗣が生まれ育った大阪の街を、写真家の佐内正史と巡った夏の記憶。 2023年の7月と2024年の8月、2年をかけてつくった短歌102首と写真42枚を収録。 造本は180度開くコデックス装で、写真が美しく展開されます。 【収録歌より】 人がきて信用金庫の自動ドアひらいて夏がひらめいていく きらきらと風を車に呼び込んで午前みたいに午後をはじめる かつてあった出版社の美しい名に会話が混線して花が咲く 声がして水遊びだとわかる声 二時から二時の声がしている 郷愁は遠いところをやってくる未来にちょっと寄り道をして 【著者より】 〈東京から黄色い車でやってきた佐内さんと歩いた夏。 短歌が写真に、写真が短歌になる瞬間をお楽しみください!〉 岡野大嗣 〈写真の時差の中にいた2年間! 「そば犬」をよろしくお願いします!〉 佐内正史 出版社:ナナロク社 発売日:2025.6 判型・製本:B6変形 ページ数:160
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『誘拐された西欧、あるいは中欧の悲劇』ミラン・クンデラ(著)、阿部賢一(訳)
¥1,045
『存在の耐えられない軽さ』の著者 ミラン・クンデラが生涯をかけた探究 中欧のチェコに生まれたミラン・クンデラは20世紀後半の歴史と文学を「中欧」という視点から体現した作家。 2023年の没後、作品の再検証を試みる機運が高まるなか、クンデラが生涯をかけて探求した概念「中欧」と「小民族」を巡る両論考は作家の世界観を理解するための貴重な証言と言える。 また、主体的な関与がないまま自国の運命が一変するという「小民族」の置かれている状況は、現在のウクライナやパレスチナの情勢にも援用可能な視点であり、その警鐘は鳴りやむどころか世界中に響き渡っている。
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『ほんとうの自分』ミラン・クンデラ(著)、西永良成(訳)
¥990
幼い子供を亡くした後、シャンタルは年下の男性ジャン=マルクと出会ってたちまち恋におち、離婚して彼と暮らし始めた。 シャンタルは広告代理店勤務、彼は職業を転々としている。 更年期の症状を感じ始めたある日、シャンタルのもとに一通の匿名の手紙が届く。 「私はスパイのようにあなたの後をつけています、あなたは美しい」――。 それを機に、ふたりそれぞれの幻想が現実を脅かしていく。 出版社:集英社 発売日:2024.7 判型・製本:文庫 ページ数:200
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『緩やかさ』ミラン・クンデラ(著)、西永良成(訳)
¥935
20世紀末。 パリ郊外の城に滞在するため車を走らせるクンデラ夫妻。 速さに取りつかれた周囲の車は、まるで猛禽のようだ。 クンデラは、18世紀の小説に描かれた、ある貴婦人と騎士が城に向かう馬車の旅、そしてその夜の逢瀬に思いを馳せる。 一方、城では昆虫学会が開催されていて――。 ふたつの世紀のヨーロッパの精神を、かろやかに、優雅に、哲学的に描く、クンデラ初のフランス語執筆による小説。 出版社:集英社 発売日:2024.6 判型・製本:文庫 ページ数:176
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『別れのワルツ』ミラン・クンデラ(著)、西永良成(訳)
¥1,320
秋の温泉地を舞台に幾組もの男女が、すれ違いもつれ合いながら演じる、愛と死の輪舞。 皮肉、ユーモア、悲哀…感情を掻き立てて奏でられる、「小説の魔術師」クンデラ初期の傑作 出版社:集英社 発売日:2013.12 判型・製本:文庫 ページ数:368
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『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ(著)、千野栄一(訳)
¥1,430
苦悩する恋人たち。 不思議な三角関係。 男は、ひとりの男に特別な感情を抱いた。 鮮烈でエロチック…。 プラハの悲劇的政治状況下での男と女のかぎりない愛と転落を、美しく描きだす哲学的恋愛小説。 出版社:集英社 発売日:1998.11 判型・製本:文庫 ページ数:400
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『小説の技法』ミラン・クンデラ(著)、 西永良成(訳)
¥858
セルバンテス、カフカ、プルーストなど誰もが知っている名著名作の作者たちとその作品に言及しながら、「小説とは何か」「小説はどうあるべきか」を論じるクンデラ独自の小説論。 2011年刊行の改訂版を底本とした新訳決定版。 知的刺激に満ちた文学入門。 出版社:岩波書店 発売日:2016.5 判型・製本:文庫 ページ数:248
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『冗談』ミラン・クンデラ(著)、 西永良成(訳)
¥1,430
絵葉書に冗談で書いた文章が、前途有望な青年の人生を狂わせる。 十数年後、苦しみに耐え抜いたすえ、男は復讐をもくろむが……. 政治によって歪められた1人の男の流転の人生と愛の悲喜劇を軸にして、4人の男女の独白が重層的に綾をなす、ミラン・クンデラ(1929-)の最高傑作。 作家自らが全面的に改訂した決定版からの新訳。 出版社:岩波書店 発売日:2014.12 判型・製本:文庫 ページ数:530
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『私の孤独な日曜日』月と文社(編)
¥1,980
映えないからこそ、愛おしい。 自分を見つめる17人の休日ひとり時間の過ごし方 休日のひとり時間、あなたは何をして過ごしますか? ――世代やバックグラウンドの異なる17人による、ひとりで過ごす休日についてのエッセイ・アンソロジー。 20代から50代まで、独自の視点と感性で文章を書く人たちに執筆を依頼。 書き手の肩書きは、事務職、マーティング職、システムエンジニア、バリスタ、専門紙記者、大学院生、イラストレーター、書店店長、ライター、ひとり出版社経営者など。 無名でありながらも、その人ならではの「孤独」の風景を持つ方々から、魅力あふれるエッセイが届きました。 誰かの「映えない」休日の裏にあるさまざまな孤独に触れることで、あなた自身の平凡な休日も、不思議と味わい深く感じられるかもしれません。 出版社:月と文社 発売日:2025.5 判型・製本:B6変形判 ページ数:184
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『生きる力が湧いてくる』野口理恵
¥1,980
顔の見えない読者が、ひとりでも、ふたりでも、生きたいと強く思えるような本づくりをしたい。 私は母と兄を自死で亡くしている。父も十代で他界し、祖父母はもういない。 一度結婚をして息子がいるが親権は離婚した元夫がもっている。 私はおそらく多くの人がもつ家族観をもっていない。おそらくこれからももつことはできない。 (本文より) 出版社:百万年書房 発売日:2025.4 判型・製本:四六判変形 ページ数:224
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『現代生活独習ノート』津村記久子
¥770
「リフレッシュ休暇をもらったが、もはや私にはリフレッシュする気力自体が残っていなかったのだった。」 入社希望の学生のSNSチェックに疲れ果てた会社員。 代々続く母と娘の台所戦争。 遅れても許せてしまうことが美点のロバによる配送サービス……。 膨大な情報の摂取と判断に疲れてしまった現代人の生活に寄り添うやさしさと、明日を生きるための元気をくれるユーモア満載! 味気ない日々をゆるゆると肯定し、現代人の張りつめた心をゆるめる短編集。 出版社:講談社 発売日:2025.5 判型・製本:文庫 ページ数:272