
『耳に棲むもの』小川洋子
¥1,980 税込
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耳の中に棲む私の最初の友だちは
涙を音符にして、とても親密な演奏をしてくれるのです。
補聴器のセールスマンだった父の骨壺から出てきた四つの耳の骨(カルテット)。
あたたかく、ときに禍々しく、
静かに光を放つようにつづられた珠玉の最新作品集。
「骨壺のカルテット」
補聴器のセールスマンだった父は、いつも古びたクッキー缶を持ち歩いていた。
亡くなった父と親しかった耳鼻科の院長先生は、骨壺から4つの骨のかけらを取り出してこう言った。
「お父さまの耳の中にあったものたちです。正確には、耳の中に棲んでいたものたち、と言えばよろしいでしょうか……」。
「耳たぶに触れる」
収穫祭の“早泣き競争”に出場した男は、思わず写真に撮りたくなる特別な耳をもっていた。
補聴器が納まったトランクに、男は掘り出したダンゴムシの死骸を収める。
「今日は小鳥の日」
小鳥ブローチのサイズは、実物の三分の一でなければなりません。
嘴と爪は本物を用います。
残念ながら、もう一つも残っておりませんが。
「踊りましょうよ」
補聴器のメンテナンスと顧客とのお喋りを終えると、セールスマンさんはこっそり人工池に向かう。
そこには“世界で最も釣り合いのとれた耳”をもつ彼女がいた。
「選鉱場とラッパ」
少年は、輪投げの景品のラッパが欲しかった。
「どうか僕のラッパを誰かが持って帰ったりしませんように……」。
お祭りの最終日、問題が発生する。
出版社:講談社
発売日:2024.10
判型・製本:四六判
ページ数:136
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