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『根っからの悪人っているの?』坂上香
¥1,760
著者の映画作品『プリズン・サークル』は、日本で1か所だけ、刑務所の中で行われている「TC(回復共同体)」という対話による更生プログラムを、20 代の受刑者4 人を中心に2 年間記録したドキュメンタリー。 本書は、この映画を手がかりに、著者と10 代の若者たちが「サークル(円座になって自らを語りあう対話)」を行った記録である。 映画に登場する元受刑者の2 人や、犯罪被害の当事者をゲストに迎え、「被害と加害のあいだ」をテーマに語りあう。 出版社:創元社 発売日:2023.10 判型・製本:四六判変形 ページ数:192
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『悪いことはなぜ楽しいのか』戸谷洋志
¥880
ちょっといけないことをしたとき、ドキドキして心が躍る。 意地悪、自己中、復讐にも絶妙な快楽がつきまとう。 なぜ、私たちはそんな気持ちになってしまうのか? 私たちのよくない部分から、悪と善を考える。 出版社:筑摩書房 発売日:2024.6 判型・製本:新書 ページ数:160
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『スマートな悪 技術と暴力について』戸谷洋志
¥1,540
【「はじめに」より】 いま、あなたの周りには、いったいいくつのスマートデバイスが存在するだろうか。 もしかしたら、あなたのポケットにはスマートフォンが入っているかも知れない。 あるいはあなたの腕にはスマートウォッチが巻かれているかも知れない。 スマートスピーカーで音楽を聴き、スマートペンでメモを取っているかもしれない。 あなたの家はスマートロックに守られているかも知れない。そんなあなたはスマートシティに住んでいるかも知れない。 私たちの日常を多くのスマートなものが浸食している。 私たちの生活はだんだんと、しかし確実に、全体としてスマート化し始めている。 しかし、それはそうであるべきなのだろうか。 そのように考えているとき、問われているのは倫理である。 本書は、こうしたスマートさの倫理的な含意を考察するものである。 (中略) もちろん、社会がスマート化することによって私たちの生活が便利になるのは事実だろう。 それによって、これまで放置されてきた社会課題が解決され、人々の豊かな暮らしが実現されるのなら、それは歓迎されるべきことだ。まずこの点を強調しておこう。 あえて疑問を口にしてみよう。 スマートさがそれ自体で望ましいものであるとは限らないのではないか。 むしろ、スマートさによってもたらされる不都合な事態、回避されるべき事態、一言で表現するなら、「悪」もまた存在しうるのではないか。そうした悪を覆い隠し、社会全体をスマート化することは、実際にはとても危険なことなのではないか。 超スマート社会は本当に人間にとって望ましい世界なのか。 その世界は、本当に、人間に対して牙を剥かないのだろうか。 そうした、スマートさが抱えうるネガティブな側面について、つまり「スマートな悪」について分析することが、本書のテーマだ。 出版社:講談社 発売日:2022.3 判型・製本:四六判 ページ数:210
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『漂泊のアーレント 戦場のヨナス ふたりの二〇世紀 ふたつの旅路』戸谷洋志、百木 漠
¥2,200
二〇世紀の破局を二人はどう生き、そこに何を見たのか。 「二一世紀の全体主義」に警鐘を鳴らす友情の記録。 政治の意味を問い続けたハンナ・アーレントと、未来への責任を基礎づけたハンス・ヨナス。 盟友として、ユダヤ人として、思想家としてナチズムに対峙し、ともに二〇世紀を駆け抜けた。 二人は、時代が課した過酷な宿命に向かい合い、その破局に対して、それぞれの仕方で、答えを模索し続けた。 その二人の思想は「出生」という概念において、閃光のように交錯する。 アーレントとヨナスの人生と思索の軌跡を追い、二一世紀を歩むわれわれへの問いかけを探る。 出版社:慶應義塾大学出版会 発売日:2020.7 判型・製本:四六判並製 ページ数:368
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『〈悪の凡庸さ〉を問い直す』田野大輔、三浦隆宏
¥2,640
アイヒマンを形容した〈悪の凡庸さ〉。 アーレント自身は歯車のように命令に従っただけという理解を否定していたにもかかわらず、多くの人が誤解し続けている。 この概念の妥当性や意義をめぐり、アーレント研究者とドイツ史研究者が真摯に論じ合う。 出版社:大月書店 発売日:2023.9 判型・製本:四六判 ページ数:208
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『エルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告』ハンナ・アーレント
¥4,840
SOLD OUT
〈彼は愚かではなかった。まったく思考していないこと——これは愚かさとは決して同じではない——、それが彼があの時代の最大の犯罪者の一人になる素因だったのだ。このことが「陳腐」であり、それのみか滑稽であるとしても、またいかに努力してみてもアイヒマンから悪魔的なまたは鬼神に憑かれたような底の知れなさを引き出すことは不可能だとしても、やはりこれは決してありふれたことではない。死に直面した人間が、しかも絞首台の下で、これまでいつも葬式のさいに聞いてきた言葉のほか何も考えられず、しかもその「高貴な言葉」に心を奪われて自分の死という現実をすっかり忘れてしまうなどというようなことは、何としてもそうざらにあることではない。このような現実離れや思考していないことは、人間のうちにおそらくは潜んでいる悪の本能のすべてを挙げてかかったよりも猛威を逞(たくま)しくすることがあるということ——これが事実エルサレムにおいて学び得た教訓であった。しかしこれは一つの教訓であって、この現象の解明でもそれに関する理論でもなかったのである〉 組織と個人、ホロコーストと法、正義、人類への罪… アイヒマン裁判から著者が見、考え、判断したことは。 最新の研究成果にしたがい、より正確かつ読みやすくし、新たな解説も付した新版。 訳者:大久保和郎 出版社:みすず書房 発売日:2017.8 判型・製本: 四六判 ページ数:488
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『ヘヴン』川上未映子
¥748
<わたしたちは仲間です>――十四歳のある日、同級生からの苛めに耐える<僕>は、差出人不明の手紙を受け取る。 苛められる者同士が育んだ密やかで無垢な関係はしかし、奇妙に変容していく。 葛藤の末に選んだ世界で、僕が見たものとは。 善悪や強弱といった価値観の根源を問い、圧倒的な反響を得た著者の新境地。 出版社:講談社 発売日:2012.5 判型・製本:文庫 ページ数:320
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『善悪の彼岸』ニーチェ
¥1,210
ニーチェはキリスト教的道徳のもとに,また民主主義政治のもとに「畜群」として生きつづけようとする人々に鉄槌を下す。 彼にとって人間を平等化、矮小化して「畜群人間」に堕せしめるのはこれら既成の秩序や道徳であり、本来の哲学の課題は、まさにこの秩序・道徳に対する反対運動の提起でなければならなかった。 訳者:木場深定 出版社:岩波書店 発売日:1970.4 判型・製本:文庫 ページ数:376
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『ツァラトゥストラかく語りき』フリードリヒ・ニーチェ
¥1,320
あかるく澄み切った日本語による正確無比な翻訳で、いま、ツァラトゥストラが蘇る。 もっとも信頼に足る原典からの文庫完全新訳。 読みやすく、しかもこれ以上なく哲学的に厳密な、ニーチェ。 訳者:佐々木中 出版社:河出書房新社 発売日:2015.8 判型・製本:文庫 ページ数:568
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『偶像の黄昏』フリードリヒ・ニーチェ
¥880
ニーチェの最後の著作が流麗で明晰な新訳でよみがえる。 近代の偶像を破壊しながら、その思考を決算したニーチェ哲学の究極的な到達であると同時に自身によるニーチェ入門でもある名著。 訳者:村井則夫 出版社:河出書房新社 発売日:2019.4 判型・製本:文庫 ページ数:232
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『喜ばしき知恵』フリードリヒ・ニーチェ
¥1,320
ニーチェの最も美しく、最も重要な著書が冷徹にして流麗な日本語によってよみがえる。 「神は死んだ」と宣言しつつ永遠回帰の思想をはじめてあきらかにしたニーチェ哲学の中核をなす大いなる肯定の書。 訳者:村井則夫 出版社:河出書房新社 発売日:2012.10 判型・製本:文庫 ページ数:496
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『恋愛を学問する』小野寺敦子 編著
¥2,640
恋愛が生じる心理的なメカニズム、ストーカーやDVといった負の側面、メディアと恋愛の関わりなど、恋愛を科学的に探究する。 恋愛は多くの人が興味を抱く人間関係であり、社会生活における重要な活動として、様々な学問分野において研究されてきた。 本書は恋愛という現象を学際的な見地から捉え、各分野からのアカデミックな知見を提供することで、恋愛に関する多様な知識の獲得、多角的な恋愛観の醸成、多彩な恋愛への受容的な態度を形成する。 出版社:勁草書房 発売日:2024.1 判型・製本:A5判 ページ数:192
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『恋愛の哲学』戸谷洋志
¥1,760
哲学は「恋愛」を語ることから始まった。 クズへの愛はなぜ成立するのか? なぜ私は愛されたいのか? 永遠の愛はどこまで続くのか? ――すべて哲学が答えます。 現代に流れる「ロマンティック・ラブ」の幻想を解体する驚愕の哲学入門。 紹介するのは、プラトン、デカルト、ヘーゲル、キルケゴール、サルトル、ボーヴォワール、レヴィナスの七人。 彼らはそれぞれが違った仕方で人間と世界の関係を捉え、その人間観の中で恋愛(哲学)を論じている。 恋愛とは何かを考えることは、そもそも人間とは何かを問い直すことを要求する。 本書ではそれらを全体として再構成することで<恋愛>を広い視野の元で捉え直していく。 【目次】 はじめに 第1章 なぜ誰かを愛するのか?――プラトン 第2章 なぜ恋愛に執着するのか?――デカルト 第3章 なぜ恋人に愛されたいのか?――ヘーゲル 第4章 永遠の愛とは何か?――キルケゴール 第5章 なぜ恋愛は挫折するのか?――サルトル 第6章 女性にとって恋愛とは何か?――ボーヴォワール 第7章 なぜ恋人と分かり合えないのか?――レヴィナス おわりに 出版社:晶文社 発売日:2024.2 判型・製本:四六判並製 ページ数:236
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『林檎の樹』ゴールズワージー
¥440
訳者:法村里絵 出版社:新潮社 発売日:2017.2 判型・製本:文庫 ページ数:160
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『情事の終り』グレアム・グリーン
¥737
不倫の恋は終わったはずだった。 そう、嫉妬に狂った作者が奇妙な監視を始めるまでは。 究極の愛と神の存在を問う名篇。 人妻サラとの道ならぬ恋から1年半。 なぜ彼女は去っていったのか――捨てきれぬ情と憎しみとの狭間で煩悶する作家ベンドリックスは、その雨の夜、サラの夫ヘンリーと邂逅する。 妻の行動を疑い、悩む夫を言葉巧みに説得した作家は、自らの妬心を隠し、サラを探偵に監視させることに成功するが……。 鮮やかなミステリのように明かされる真実とは。 訳者:上岡伸雄 出版社:新潮社 発売日:2014.4 判型・製本:文庫 ページ数:384
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『自負と偏見』ジェイン・オースティン
¥1,100
恋心か打算か。 幸福な結婚とは? 軽妙なストーリーに織り交ぜられた普遍の真理。 イギリスの静かな田舎町ロングボーンの貸屋敷に、資産家ビングリーが引っ越してきた。 ベネット家の長女ジェインとビングリーが惹かれ合う一方、次女エリザベスはビングリーの友人ダーシーの気位の高さに反感を抱く。 気難しいダーシーは我知らず、エリザベスに惹かれつつあったのだが……。 訳者:小山太一 出版社:新潮社 発売日:2014.6 判型・製本:文庫 ページ数:656
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【サイン入り & 特典ステッカー付】『その日暮らし』坂口恭平
¥1,760
SOLD OUT
生まれ育った熊本に移り住み、畑をはじめ、渡辺京二さん、石牟礼道子さんと過ごし、元気なときもまた鬱で苦しいときも、ともにある家族との日々。 いのっちの電話、さまざまな土地や人との出会いのなかで、ひとを助けることで自分が助けられていたこと、ともに生きる喜びが日々のエピソードとともに語られるエッセイ集。 西日本新聞で連載されていたエッセイ49篇に、1万字超えの長い長い「あとがき」が加わった贅沢な一冊。 出版社:palmbooks 発売日:2024.8 判型・製本:四六判 ページ数:144
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『海岸通り』坂崎かおる
¥1,540
第171回芥川賞候補作。 踊る、それがわたしたちの自由 海辺の老人ホームに集う女たちのゆるやかなつながり。 いま最も注目される新鋭の最新作。 「これってフツー?」 「わたしの中じゃね」 「クズミさんのフツー、ちょっとヘン」(本文より) 海辺の老人ホーム「雲母園」で派遣の清掃員として働くわたし、クズミ。 ウガンダから来た同僚マリアさん。 サボりぐせのある元同僚の神崎さん。 ニセモノのバス停で来ないバスを毎日待っている入居者のサトウさん。 さまざまな人物が、正しさとまちがい、本物とニセモノの境をこえて踊る、静かな物語。 出版社:文藝春秋 発売日:2024.7 判型・製本:四六判変型 上製 ページ数:128
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『サンショウウオの四十九日』朝比奈秋
¥1,870
同じ身体を生きる姉妹、その驚きに満ちた普通の人生を描く、第171回芥川賞受賞作。 周りからは一人に見える。 でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。 不思議なことはなにもない。 けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか? そして今これを考えているのは誰なのか ——三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。 最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。 出版社:新潮社 発売日:2024.7 判型・製本:四六判変型 ページ数:144
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『願ったり叶わなかったり』宇野なずき
¥2,200
SOLD OUT
これまでに刊行した私家版歌集収録より選んだ100首に、書き下ろし100首を加えて編集した宇野なずきの最新作。 【歌集より】 僕だけがインターネットの亡霊で他のみんなは居酒屋にいる 人類の祈りはすべて神様の迷惑メールフォルダに届く わたくしは便利な道具でございます操作手順を誤って死ね 嫌な言い方をするならそうですね私は愛と呼んでいますが 死にたい 違う 死ぬくらいなら海のある町まで逃げて暮らすんだった 出版社:短歌研究社 発売日:2024.6 判型・製本:四六判上製 ページ数:120
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『たんぽるぽる』雪舟えま
¥1,000
SOLD OUT
ロングセラー歌集『たんぽるぽる』の文庫化。 電子詩集『地球の恋人たちの朝食』から同じ背景で書かれた詩作品も追加収録。 【歌集より】 目がさめるだけでうれしい 人間がつくったものでは空港がすき とても私。きましたここへ。 とてもここへ。白い帽子を胸にふせ立つ 逢えばくるうこころ逢わなければくるうこころ愛に友だちはいない うれいなくたのしく生きよ娘たち 熊銀行に鮭をあずけて 雪の日も小窓を開けてこのひとと光をゆでる暮らしをします 一番の友が夫であることの物陰のない道を帰りぬ 出版社:短歌研究社 発売日:2022.2 判型・製本:新書判
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【サイン本】『緑と楯 ロングロングデイズ』雪舟えま
¥1,000
学生服から白髪を超えて(ロングロングデイズ)、 金太郎飴のごとく、どこを切っても愛の日々! 表題作369首に加え、 歌集『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』269首を併録した2部構成。 「解説」に代えて、作品世界を表現した漫画家・紀伊カンナ氏による描き下ろしイラストを収録。 『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』より 鳥肌がかけぬけるだけほんとうのありがとうには相手はいない フライ追うように走って しあわせだ、しあわせだって退路を断って 彼らには素敵な宇宙をあげなくちゃ私自分を大事にしなきゃ 『緑と楯 ロングロングデイズ』より 険悪な家の子どもが恋をするただその薔薇のようなる事実 別れてたものが一つになるときに人は嬉しい鴨川トリン ポケットに銘菓が一個それはつまり答えはYES宇宙がYES ここは寒い。だから安心して燃えよう。友よ返事は唇にくれ 定食が二つ載りきらない卓で決めているごく近未来のこと 隙あらば人にやるため蜂蜜をつね持ち歩く老爺となれり 出版社:短歌研究社 発売日:2022.10 判型・製本:新書判 ページ数:192
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【サイン入り】『世界の適切な保存』永井玲衣
¥1,870
SOLD OUT
見ることは、わたしを当事者にする。 共に生きるひとにする。 世界をもっと「よく」見ること。その中に入り込んで、てのひらいっぱいに受け取ること。 この世界と向き合うための哲学エッセイ。 わたしはどうやら、時間が流れていくにしたがって、 何かが消えるとか、失われるとか、忘れられるということがおそろしいらしい。 ここに書かれたもの。その何倍もある、書かれなかったもの。 でも決してなくならないもの――。 生の断片、世界の欠片は、きかれることを待っている。じっとして、掘り出されることを待っている。 出版社:講談社 発売日:2024.7,25 判型・製本:四六判並製 ページ数:288
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『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ
¥737
第二次大戦下のニューヨークで、居並ぶセレブの求愛をさらりとかわし、社交界を自在に泳ぐ新人女優ホリー・ゴライトリー。 気まぐれで可憐、そして天真爛漫な階下の住人に近づきたい、駆け出し小説家の僕の部屋の呼び鈴を、夜更けに鳴らしたのは他ならぬホリーだった……。 表題作ほか、端正な文体と魅力あふれる人物造形で著者の名声を不動のものにした作品集を、清新な新訳でおくる。 訳者:村上春樹 出版社:新潮社 発売日:2008.11 判型・製本:文庫 ページ数:288