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『料理なんて愛なんて』佐々木愛
¥869
嫌いな言葉は、「料理は愛情」。 食べるのは好きだが料理が嫌いな優花は、想いを寄せる真島さんに高級バレンタインチョコを渡すも、あっさり振られてしまう。彼が付き合いだしたのは、なんと料理教室の先生だった。 一念発起した優花は、自炊に挑戦したり「料理男子」と合コンしたりして、料理を好きになろうと努力するが——。 「素敵な女性=料理上手な女性」という呪縛に思い悩む優花の1年間を描いた、瑞々しくキュートな長編小説。著者による文庫版あとがきも収録。 出版社:文藝春秋 発売日:2023.5 判型・製本:文庫 ページ数:304
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『錠剤F』井上荒野
¥1,980
ひとは、「独り」から逃れられない。 著者史上最もグロテスクで怖い10の物語から成る、最高精度の小説集。 バイト先のコンビニに現れた女から、青年は「ある頼みごと」をされて──「ぴぴぴーズ」 男を溺れさせる、そんな自分の体にすがって生きるしかない女は──「みみず」 刺繍作家の女は、20年以上ともに暮らした夫の黒い過去を知ってしまい──「刺繍の本棚」 女たちは連れ立って、「ドクターF」と名乗る男との待ち合わせに向かうが──「錠剤F」 ……ほか、あなたの孤独を掘り起こす短編10作を収録 出版社:集英社 発売日:2024.1 判型・製本:四六判 ページ数:248
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『うるさいこの音の全部』高瀬隼子
¥1,540
ゲームセンターで働く長井朝陽の日常は、「早見有日」のペンネームで書いた小説が文学賞を受賞し出版されてから軋みはじめる。 兼業作家であることが職場にバレて周囲の朝陽への接し方が微妙に変化し、それとともに執筆中の小説と現実の境界があいまいになっていき…… 職場や友人関係における繊細な心の動きを描く筆致がさえわたるサスペンスフルな表題作に、早見有日が芥川賞を受賞してからの顛末を描く「明日、ここは静か」を併録。 出版社:文藝春秋 発売日:2023.10 判型・製本:四六判・上製 ページ数:264
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『いい子のあくび』高瀬隼子
¥1,760
公私共にわたしは「いい子」。 人よりもすこし先に気づくタイプ。 わざとやってるんじゃなくて、いいことも、にこにこしちゃうのも、しちゃうから、しちゃうだけ。 でも、歩きスマホをしてぶつかってくる人をよけてあげ続けるのは、なぜいつもわたしだけ?「割りに合わなさ」を訴える女性を描いた表題作(「いい子のあくび」)。 郷里の友人が結婚することになったので式に出て欲しいという。 祝福したい気持ちは本当だけど、わたしは結婚式が嫌いだ。 バージンロードを父親の腕に手を添えて歩き、その先に待つ新郎に引き渡される新婦の姿を見て「物」みたいだと思ったから。 「じんしんばいばい」と感じたから。 友人には欠席の真意を伝えられずにいて…… 結婚の形式、幸せとは何かを問う(「末永い幸せ」)ほか、社会に適応しつつも、常に違和感を抱えて生きる人たちへ贈る全3話。 出版社:集英社 発売日:2023.7 判型・製本:四六判 ページ数:176
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『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子
¥1,540
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」 心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。 職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。 ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作。 出版社:講談社 発売日:2022.3 判型・製本:四六判 ページ数:162
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『死に急ぐ鯨たち・もぐら日記』安部公房
¥935
安部公房は何を考えていたのか。 エッセイや日記から明らかになる世界的作家、その思想。 生きる理由に解答がありえないように、書く行為にも理由などあるはずがない――。 想像力不足からくる楽観主義へ警鐘を鳴らす「死に急ぐ鯨たち」、自身の創作を振り返るインタビュー「錨なき方舟の時代」、貴重な日常を綴った「もぐら日記」など、1980年代に語られた言葉の数々は、今なお社会の本質を射抜き、我々への啓示へと変貌する。 多様な表現を通して浮上する世界的作家、思考の淵源。 出版社:新潮社 発売日:2024.8 判型・製本:文庫 ページ数:416
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『箱男』安部公房
¥693
ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。 一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。 輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。 読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。 出版社:新潮社 発売日:1982.10 判型・製本:文庫 ページ数:248
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『(霊媒の話より)題未定―安部公房初期短編集―』安部公房
¥825
太平洋戦争末期、満州で激動の日日を過ごした青年は、その時何を思い、何を未来に残したのか――。 漂泊民の少年が定住を切望する19歳の処女作「(霊媒の話より)題未定」、2012年新たに原稿が発見された、精神病棟から抜け出した男を描く「天使」、「壁―S・カルマ氏の犯罪」に繋がる「キンドル氏とねこ」。 やがて世界に名を馳せる安部文学、その揺籃にふさわしい清新な思想を示す初期短編11編。 出版社:新潮社 発売日:2024.3 判型・製本:文庫 ページ数:368
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『飛ぶ男』安部公房
¥249
ある夏の朝。 時速2、3キロで滑空する物体がいた。 《飛ぶ男》の出現である。 目撃者は3人。 暴力団の男、男性不信の女、とある中学教師……。 突如発射された2発の銃弾は、飛ぶ男と中学教師を強く結び付け、奇妙な部屋へと女を誘う。 世界文学の最先端として存在し続けた作家が、最期に創造した不条理な世界とは。 死後フロッピーディスクに遺されていた表題作のほか「さまざまな父」を収録。 出版社:新潮社 発売日:2024.2 判型・製本:文庫 ページ数:208
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『カンガルー・ノート』安部公房
¥649
ある朝突然、〈かいわれ大根〉が脛に自生していた男。 訪れた医院で、麻酔を打たれ意識を失くした彼は、目覚めるとベッドに括り付けられていた。 硫黄温泉行きを医者から宣告された彼を載せ、生命維持装置付きのベッドは、滑らかに動き出した……。 坑道から運河へ、賽の河原から共同病室へ――果てなき冥府巡りの末に彼が辿り着いた先とは? 急逝が惜しまれる国際的作家の最後の長編! 出版社:新潮社 発売日:1995.1 判型・製本:新潮社 ページ数:256
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『喫茶店文学傑作選』林哲夫 編
¥990
SOLD OUT
多くの作家、芸術家を魅了し、作品の舞台、創作の淵源、そして彼らの交友の拠点となった「喫茶店」。 第二集では、海外の旅行記(ブラジル、トルコ、イタリア、パリ)を新たに収録。 さらに、永井荷風「おもかげ」、筒井康隆「二人でお茶を」など、読み応えのある快作を加え、「面白さ」においては第一集を超える充実した内容を目指した。 小説・随筆を織り交ぜた全23篇。 【収録作】 「コーヒー・ブレイク」長尾みのる 「「贈物だよ」と八百屋のおじいさんは言った」澁澤幸子 「女ひとり」犬養道子 「旅のたより」辰野隆 「色気と食い気」岡本太郎 「バラック・カッフェエ」久米正雄 「カフェの開く途端に月が昇った(抄)」稲垣足穂 「あの頃」立野信之 「おもかげ」永井荷風 「ぼくのコーヒーハウス」田村隆一 「火曜日の午後」串田孫一 「会話のエスプリを鍛えるために」安西冬衛 「私の遍歴時代(抄)」三島由紀夫 「W・ベンヤミンに倣って」矢川澄子 「etude 調子はずれの木琴」岩城宏之 「私たちの夜の大学」五木寛之 「ぼくの早稲田時代(抄)」川崎彰彦 「植物祭(抄)」富岡多惠子 「吹雪のハドソン川」中上健次 「逗子(抄)」森山大道 「二人でお茶を」筒井康隆 「おちょくり喫茶」田辺聖子 「後記――原稿紛失の記――」森茉莉 出版社:中央公論新社 発売日:2024.8 判型・製本:文庫判 ページ数:264
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『鎮守の森』宮脇昭
¥840
SOLD OUT
日本人はなぜ森に惹かれるのか――? 自然災害や空襲にも耐え、人々を守ってきた鎮守の森は、どのような植物で構成されているのか。 なぜ数百年も人の手を借りず生き延びてきたのか。 国内外でその土地ごとの自然環境に応じて成長する「潜在自然植生」を調査し、植樹法を指導して森林の再生を担ってきた植物学の世界的権威が、日本の「ふるさとの木によるふるさとの森」の重要性について解説する。 曹洞宗の板橋興宗師との対談に、哲学者・梅原猛氏との30年越しの対談2篇を増補し、日本のふるさとの森の姿や日本人の精神性について思索を深める。 出版社:中央公論新社 発売日:2024.8 判型・製本:文庫判 ページ数:256
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『おじさんはどう生きるか』松任谷正隆
¥836
ピンチばかりの毎日に。 夫婦の冷戦、うす毛問題、時代とのズレ…… 迷える日常が楽しく化けるマナー考! 文庫書き下ろしエッセイ2編に加え、ジェーン・スーさんとのナルホド対談収録 サインペンで胸毛を書いた10代。 バンド活動に苦心した20代。 おしっこをちびるようになった30代。 そして、生まれて初めて 母にプレゼントを贈った60代―― 何度もの赤っ恥体験の末、今こそ綴る “意地を張らずに生きる” ヒント 出版社:中央公論新書 発売日:2024.8 判型・製本:文庫判 ページ数:
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『私の小説』町屋良平
¥1,980
破壊的じゃない「私」の人生はつまんない――? 芥川賞をとってなお自分に自信が持てない作家が、この世界を言葉で立て直す。 第48回川端康成文学賞受賞作を含む〈新しい私小説〉連作集。 出版社:河出書房新社 発売日:2024.7 判型・製本:四六判 ページ数:176
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『わたしの知る花』町田そのこ
¥1,870
「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」 虫も殺せぬ優男、結婚詐欺師……? 77歳で孤独死した老人の、誰も知らない波瀾に満ちた意外な人生とは? 出版社:中央公論新社 発売日:2024.7 判型・製本:四六判 ページ数:352
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『それでも食べて生きてゆく 東京の台所』大平一枝
¥1,870
何も失っていない人などいない。 台所から人生の愛おしさを描く感動ノンフィクション。 「こんなに悲しくても料理だけはやると落ち着くんだよね。作ったら食べなきゃだし、ちゃんとお腹がすく」 家族、恋人、夢、健康――大切なものを失いながら、それでもみんな立ち上がり、今日もごはんを作っている。 本書は、台所と食を通じて人生を立て直した人々を描くノンフィクション。 ネグレクトの親から離れ上京した学生、重いアレルギーを持つ子を育てる母、解体寸前の名建築で暮らす女性たち等々......22人の〈喪失と再生〉の物語を収録。 出版社:毎日新聞出版 発売日:2022.11 判型・製本:四六判 ページ数:240
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『トラウマ 「こころの傷」をどう癒やすか』杉山登志郎
¥990
自然に治癒することはなく、一生強い「毒性」を放ち、心身を蝕み続ける― 発達障害と複雑性PTSDの第一人者が、「心の複雑骨折」をトラウマを癒やす、安全かつ高い治療効果を持つ画期的な治療法を解説。 イラストによる完全図解と動画を用いて、治療の一部始終を再現する。 出版社:講談社 発売日:2024.8 判型・製本:新書 ページ数:200
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『 職場で傷つく』勅使川原真衣
¥1,870
SOLD OUT
『「能力」の生きづらさをほぐす』で鮮烈なインパクトを残した気鋭のコンサルタントが、なきものとされてきた「職場の傷つき」に着目し、これからの組織開発のあるべき道筋を探る意欲作。 1ON1、対話、パーパス、人的資本経営、ウェルビーイングなど、目新しい言葉に飛びつく前に、まずその「傷つき」に「気づく」ことから始まる。 「能力主義」の限界に気づき始めたすべての人へ。 出版社:大和書房 発売日:2024.7 判型・製本:四六判 ページ数:304
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『傷を愛せるか』宮地 尚子
¥792
SOLD OUT
たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。 過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること―。 バリ島の寺院で、ブエノスアイレスの郊外で、冬の金沢で。旅のなかで思索をめぐらせた、トラウマ研究の第一人者による深く沁みとおるエッセイ。 出版社:筑摩書房 発売日:2022.9 判型・製本:文庫 ページ数:256
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『 傷の哲学、レヴィナス』村上靖彦
¥2,420
人間は傷つき、傷つける。 ケアの現場と現象学とを結ぶ泰斗が、「傷」から回復し他者と生き延びるための方途を哲学者レヴィナスとともに探ってゆく、真摯で新しいレヴィナス入門。 出版社:河出書房新社 発売日:2023.9 判型・製本:四六判変形 ページ数:288
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『レヴィナス 移ろいゆくものへの視線』熊野純彦
¥1,496
戦争と虐殺の世紀を生き延び、様々な「無用の苦しみ」を問うことから生じたレヴィナスの哲学。 いまや倫理学の第一人者となった著者が、難解といわれる二つの主著のテクストにそって、レヴィナスが問題とした「時間」「所有」「存在」「他者」の意味を解き明かす。 現代を生き抜く強靭な思考を浮かび上がらせた著者初期の名著。 出版社:岩波書店 発売日:2017.6 判型・製本:文庫 ページ数:362
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『花火と残響』ササキアイ
¥1,870
誰にだって、“特別じゃないのに忘れられない夜”がある――。 大人になってしまったあなたへ送る、人生の軌跡をほの明るく照らす26編。 「文学フリマ」で自費出版誌が話題となった作家・ササキアイ、待望のデビューエッセイ集。 出版社:hayaoki books 発売日:2024.8 判型・製本:B6変形判
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【サイン入り】『一年前の猫』近藤聡乃
¥2,200
SOLD OUT
『A子さんの恋人』『ニューヨークで考え中』で人気の漫画家・アーティストの近藤聡乃さん。 一緒に暮らす猫たちとの生活を描いたエッセイ7編と、魅力的なカラーイラスト約20点を、本文、巻末の蛇腹、特典シールなど随所に収録した小さな作品集。 出版社:ナナロク社 発売日:2024.8 判型・製本:文庫上製 ページ数:120
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『「ふつうの暮らし」を美学する』青田麻未
¥990
よりよい“世界制作”のために、私たちの家を考えよう――。 日々の暮らしを支える活動やモノを通じて「美」を捉える「日常美学」は、哲学の一分野である「美学」の中でも、とりわけ新しい領域。これまでの美学は、日常から離れた「芸術」を主な対象とし、家や暮らしにまつわる事象を無視してきた。 しかし、私たちは日々の生活の中でも「美」や「快」を感じながら生きており、その時にはたらく感性が音楽や美術を感じるときより低級だとは言えないはずである。 椅子、掃除と片付け、料理、地元、ルーティーンなどの具体例を通じて、私たちの感性、そして世界を見つめ直す「日常美学」の入門書。 出版社:光文社 発売日:2024.6 判型・製本:新書 ページ数:288