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『人質の朗読会』小川洋子
¥726
慎み深い拍手で始まる朗読会。 耳を澄ませるのは人質たちと見張り役の犯人、そして……。 しみじみと深く胸を打つ、祈りにも似た小説世界。 Lounge B booksの屋号は本書の中の一編「B談話室」から取っています。 当店にとって重要な一冊です。 "世界のあらゆる場所にB談話室はある" 出版社:中央公論新社 発売日:2014.2 判型・製本:文庫 ページ数:256
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【サイン入り】『小さい午餐』小山田浩子
¥2,200
※お一人さま一点限りでお願いします。 広島在住の小説家、小山田浩子さんが近所や旅行先で昼ごはんを食べたことを書いたエッセイ。 お好み焼きやむさしの若鶏むすび、汁なし担々麺など広島名物について書いている回も。 出版社:twililight 発売日:2024.9 判型・製本:四六判 ページ数:272
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『バリ山行』松永K三蔵
¥1,760
オモロイ純文運動。 古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。 会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。 その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。 「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋) 会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。 圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。 出版社:講談社 発売日:2024.7 判型・製本:四六判 ページ数:168
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『とるに足りない細部』アダニーヤ・シブリー
¥2,200
1949年8月、ナクバ(大災厄)渦中のパレスチナ/イスラエルで起きたレイプ殺人と、現代でその痕跡を辿るパレスチナ人女性。 二つの時代における極限状況下の〈日常〉を抉る傑作中篇。 訳者:山本薫 出版社:河出書房新社 発売日:2024.8 判型・製本:四六判変形 ページ数:168
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『酒場の君』武塙麻衣子
¥1,650
「私はこの夜をきちんと覚えておこうと思った」 横浜、野毛、鶴見、川崎、西荻窪、渋谷、武蔵小杉、湯島、早稲田、そして長野、名古屋、京都━━。忘れえぬ酒場40軒の思い出。 出版社:書肆侃侃房 発売日:2024.9 判型・製本:四六判並製 ページ数:174
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『うたたねの地図 百年の夏休み』岡野大嗣
¥1,980
“どこにでもある眺めとここにしかない眺めが交錯する” これまで取りこぼしてきた日々の感情を忘れないために短歌を詠む、人気歌人・岡野大嗣さん初の短歌×散文集。 さまざまな場所をテーマに、短歌を詠むときのまなざしから生まれた散文とたね(短歌が出来上がる前のメモ)、150首の短歌をもとに〈夏のとある街〉を作る。 出版社:実業之日本社 発売日:2024.8 判型・製本:B6判変型 ページ数:160
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『サイレンと犀』岡野大嗣
¥1,870
書肆侃侃房「新鋭短歌シリーズ」より 【5首】 もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい ともだちはみんな雑巾ぼくだけが父の肌着で窓を拭いてる 河川敷が朝にまみれてその朝が電車の中の僕にまで来る そうだとは知らずに乗った地下鉄が外へ出てゆく瞬間がすき つよすぎる西日を浴びてポケットというポケットに鍵を探す手 出版社:書肆侃侃房 発売日:2014.10 判型・製本:四六判並製 ページ数:144
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『深呼吸広場』谷川電話
¥1,760
『恋人不死身説』の著者、新境地をひらく第二歌集。 【収録歌より】 日向 今日わたしはよわい 猫を抱く力があればじゅうぶんなんだ 銀色のコーヒーミルに抱擁を映そうとして踏んだクッキー 友だちのアフロヘアーを通過するあいだ微風は複雑になる 生きながら水族館の薄闇でおでこをさすりあうのはいいね コロッケを揚げながらする合唱に百年前のくしゃみが混じる 出版社:書肆侃侃房 発売日:2022.6 判型・製本:B6判並製 ページ数:112
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『恋人不死身説』谷川電話
¥2,090
谷川電話、第一歌集。 書肆侃侃房「現代歌人シリーズ」より 【一首】 二種類の唾液が溶けたエビアンのペットボトルが朝日を通す 出版社:書肆侃侃房 発売日:2017.4 判型・製本:四六判変形並製 ページ数:144
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【サイン入り】『polylyricism』中島裕介
¥1,870
中島裕介第四歌集。 【版元HPより】 おだやかな暴挙を見守ってくれている人に感謝を。 いまよりすこし良い世界を夢に抱いている人に、寄り添えますように。 「『小さなもの』にその輝きの選択権を明け渡すことで、言葉が確かに点滅しながら。」 —─井上法子(栞より) 「世界がアホらしいとき、抒情で立ち向かってはいけない。」 「アホらしさのままに。しかし悼ませてもほしいときに」 ── 伊舎堂仁(栞より) 【歌集より】 老いてゆくわが身裡にも性欲は水銀のごとく深くしづもる 手を挙げてもタクシーは通りすぎてゆくぼくにこどもはいなか った った ポエジーに正しさはあるというのなら私は正しく間違えている アクセルが(バーニラバニラバーニラきゅうじんバーニラ)戻らなかった nation(国民)とnation(国家)との違いをおもうとき男児が長い枝見せてくる 出版社:短歌研究社 発売日:2022.11 判型・製本:11 x 19 cm上製 ページ数:120
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『短歌研究 2024年7月号』
¥1,300
短歌研究2024年7月号 出版社:短歌研究社 発売日:2024.6
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『多頭獣の話』上田岳弘
¥2,420
謎めいた「神話」がIT企業を舞台によみがえる── 現代のカフカ的傑作! そのYouTuberは「予言」する。 世界の危機を回避し、人類が進むべき方向を指し示すために。 かつて存在した「完璧な文章」を取り戻すために。 「この世界は、生きるに値するのだろうか?」 会社員からトップYouTuberに転身した元後輩の桜井君。またの名を、「YouTuberロボット」。 IT企業の幹部としてプロジェクトに忙殺される日々を送る「僕」の前に、再び彼が現れた──。 出版社:講談社 発売日:2024.8 判型・製本:四六変型 ページ数:320
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『「愛」するための哲学』白取春彦
¥1,540
「愛とは何か」「愛するとはどういうことか」「愛することで何が変わるのか」……。 現代人が見失っている、 人生を幸福に生きる「愛」する能力の育て方を、先人の深遠な知見から導く。 「愛」することは、自分を生きること。 人生を幸福に生きるうえで必要なこと・今すぐできること。 本書では、世界の先人の経験による知見と洞察をベースにし、本当の「愛」はどういうものであるのかを深く追求します。 さらに、「愛」することが人間の最重要の能力であることを示し、「愛」する能力を強く育てるためにはどういう生き方をすれば効果があるのかを考え、古代から広く行なわれてきた一つの基礎的方法としてソリチュードの生活を提示します。 本書が、多くの人の「愛」の覚醒の一助となることを願います。 ――「はじめに」より 出版社:河出書房新社 発売日:2021.2 判型・製本:四六判 ページ数:248
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『「愛とは何か」を科学する 人が人を愛するとき、脳と心で何が起きているのか?』ローン・フランク
¥2,640
【版元HPより】 13年連れ添った夫を癌で亡くした著者は、もっと上手に人を愛せるようになりたいと、愛とは何か探求しはじめる。 愛こそが人間を種として特徴づける。また愛は私たち一人一人の個性を特徴づける。ここに鍵がありそうだ。 自分自身のことを真に知る最良の道は、人が愛とどう向き合ってきたかを解き明かし、その原因を探すことだ。 そのため著者は、自分自身の内情をさらしはじめ、個人的な問いを立てることで、一般的なものの見方を模索する。 ・なぜ子ども時代の親との愛着関係が、大人になってからの恋愛関係に影響するのか? ・「浮気の遺伝子」が発見された?・運命の相手(ソウルメイト)は存在するのか? などなど。 溺愛してくれた父のこと、両親の離婚、高校生の時に乳がんで亡くなった母との思い出、父のアルコール中毒と浮気と肺炎による死、年の離れた弟との不仲、夫とのネット上での出会いや、夫と出会う以前の男性関係などを振り返り、自分は他者への共感力が低く、無感情で、回りの人のことなど気にしない冷たい人間なのでは、と不安を抱く。 さらに、子どもを持たないのは、大人になることから抗おうとする未成熟な精神の表れなのか、といった極めてパーソナルな葛藤と向き合う。 過去の記憶と、心理士のアスガー・ノイマンなどの研究者たちと対話を交わす中で、ネットの登場によるコミュニケーションの変容、心理学における愛着研究の変遷、恋愛による脳の活動や分泌される化学物質など、愛にまつわる様々なテーマについて、哲学、心理学、神経科学、進化生物学など複数の学問を横断しながらめぐる壮大な精神的旅路。 訳者:枇谷 玲子 出版社:誠文堂新光社 発売日:2024.8 判型・製本:四六判 ページ数:320
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『饗宴』プラトン
¥792
原題「シンポシオン」とは「一緒に飲む」というほどの意味。 一堂に会した人々が酒盃を重ねつつ興にまかせて次々とエロス(愛)讃美の演説を試みる。 談論風発、最後にソクラテスが立ってエロスは肉体の美から精神の美、更に美そのものへの渇望すなわちフィロソフィア(知恵の愛)にまで高まると説く。 プラトン対話篇中の最大傑作。 訳者:久保勉 出版社:岩波書店 発売日:1952.10 判型・製本:文庫 ページ数:194
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『悪口論』小峰ひずみ
¥2,640
私たちは社会を賢くしなければならないのであって、あなたが賢くなる必要はない。 『平成転向論 SEALDs 鷲田清一 谷川雁』著者が、哲学対話をきっかけに考えた「悪口」という戦術。 【目次】 第一章 感情論 Ⅰ 男根主義 Ⅱ 感情 Ⅲ 連帯 Ⅳ 力 Ⅴ 問題 第二章 悪口論 Ⅰ 職場で Ⅱ 政治運動で Ⅲ 悪口 Ⅳ 狂信者 Ⅴ レーニン 第三章 (生き)恥論 Ⅰ 恥 Ⅱ 罵倒 Ⅲ 仲間 Ⅳ 死 Ⅴ 裏切り 第四章 言行論 Ⅰ シェアハウス Ⅱ シニシズム Ⅲ 技術 Ⅳ 臨床哲学 第五章 何をいかに受け継ぐべきか Ⅰ 対話 Ⅱ 嘲笑 Ⅲ 社会 Ⅳ 物語 Ⅴ 誰でも、いつでも、どこでも Ⅵ ブーメラン 悪口論--脅しと嘲笑に対抗する技術 注釈 出版社:百万年書房 発売日:2024.8 判型・製本:四六判
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『悪口ってなんだろう』和泉悠
¥880
友だち同士の軽口とはなにが違うのか。 あだ名はどういう時に問題になるのか。 悪口を言うことはなぜ面白い感じがするのか。 言葉の負の側面から、その本質を知る。 出版社:筑摩書房 発売日:2023.8 判型・製本:新書 ページ数:160
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『魔が差したパン―O・ヘンリー傑作選III―』O・ヘンリー
¥649
短篇小説の原点に立ち返り、物語の歓びに浸る17編を鮮やかに新訳したシリーズ最終巻。 堅実に暮らしていた女が芸術家風の客に抱いたほのかな恋心。 愛した女を捜し続ける男を導く妖しげな香気。立身出世し、田舎に凱旋した男の本当の姿をみた妻。 没落貴族がかつての邸宅を借りて開いた晩餐会にやってきた招かれざる客――。 大都会ニューヨークと砂塵舞うテキサスなどを舞台に、市井の人々の悲喜こもごもを自在に描き尽した短篇小説の名手による至高の17編を新訳! 訳者:小川高義 出版社:新潮社 発売日:2015.11 判型・製本:文庫 ページ数:272
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『最後のひと葉―O・ヘンリー傑作選II―』O・ヘンリー
¥572
ユーモアと温かみと少しの毒。 ニューヨークの悲喜劇を描き続けた作家の名作短篇。 「あれが最後ね。てっきり夜中に落ちるんだろうと思った。風の音がしてたから。きょうには落ちるでしょうね。そのときに、あたしも死ぬわ」老画家が命がけで彼女に贈った希望とは。 表題作のほか、「感謝祭の二人の紳士」「芝居は人生だ」「金のかかる恋人」など、O・ヘンリーの名作短篇14篇を新訳。 ニューヨーカーたちの魂をふるわせ、優しく暖め、温かく笑わせた選り抜きの物語たち。 訳者:小川高義 出版社:新潮社 発売日:2015.10 判型・製本:文庫 ページ数:256
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『賢者の贈りもの―O・ヘンリー傑作選I―』O・ヘンリー
¥649
クリスマス、若い夫婦に感動の奇跡が訪れる――。 デラはおんぼろカウチに身を投げて泣いていた。 明日はクリスマスというのに手元にはわずか1ドル87セント。 これでは愛する夫ジムに何の贈りものもできない。 デラは苦肉の策を思いつき実行するが、ジムもまた、妻のために一大決心をしていた――。 若い夫婦のすれ違いが招いた奇跡を描く表題作ほか、ユーモラスな「赤い酋長の身代金」「千ドル」など、選り抜きの傑作を集めた新訳版。 訳者:小川高義 出版社:新潮社 発売日:2014.11 判型・製本:文庫 ページ数:272
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『ショートケーキは背中から』平野紗季子
¥1,870
『生まれた時からアルデンテ』から10年、やっぱり虚無にはごはんが効く。 「きっと私は世界を理解したい。そのための手段が、食べものだったのだ。」 実家すぎる店からいつかは訪れたい名店まで、人より貪欲に食べ、言葉を探し続けた20年。 その末に見た〈食とは何か〉の(今のところの)結論がここにあり! 著者が自らに課した100本ノック=書き下ろし「ごはん100点ノート」を大収録。 出版社:新潮社 発売日:2024.8 判型・製本:四六判変型 ページ数:192
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『夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024』
¥990
タイカレー、どこで食べたのか、憶えてる? 浮気を繰り返す男の前世とは? 未来の夢を見る少年とその一家、インストールされたAI探偵の存在意義は、貝殻から自分そっくりの人間が生まれたら? トー横カップルの哀しい道行き、村の忖度博物館をどうする? 8年前のガラケーに届いたメッセージ――2023年に発表された短篇から、日本文藝家協会の選考委員が独自にセレクト。 出版社:文藝春秋 発売日:2024.9 判型・製本:文庫 ページ数:368
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『みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子訊く 村上春樹語る―』川上未映子、村上春樹
¥825
ようこそ、村上さんの井戸へ――川上未映子はそう語り始める。 少年期の記憶、意識と無意識、「地下二階」に降りること、フェミニズム、世界的名声、比喩や文体、日々の創作の秘密、そして死後のこと……。 初期エッセイから最新長編まで、すべての作品と資料を精読し、「村上春樹」の最深部に鋭く迫る。 十代から村上文学の愛読者だった作家の計13時間に及ぶ、比類なき超ロングインタビュー! 出版社:新潮社 発売日:2019.11 判型・製本: ページ数:
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『プルースト効果の実験と結果』佐々木愛
¥737
はじめてのことをするたび、彼を思い出す—— 痛々しい自意識過剰、空回る都会への憧れ、思い通りにいかない初恋。 思春期の苦くて甘い心情を鮮やかに描き出す、四篇を収録。 プルースト効果という言葉を教えてくれたのは、同じクラスの男子「小川さん」だった。 「はじめてのキスは想像もつかないところでしよう」小川さんはそう言ったはずなのに。 【収録作】 「プルースト効果の実験と結果」 「春は未完」 「楽譜が読めない」 「ひどい句点」 ※オール讀物新人賞受賞作 出版社:文藝春秋 発売日:2022.2 判型・製本:文庫 ページ数:208